43話 ページ4
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緑谷side
『はい。ガトーショコラ』
「うわぁ…！美味しそう…っていうか手作りってすごいね！！ありがとう！」
『どういたしまして！私がお菓子大好きだからよく作るの』
初めて見たガトーショコラなるものを、まるで宝のように手のひらに乗せて眺める。
ただの幼馴染みにあげるためだけに可愛らしいラッピングをされたそれから清き愛が放たれている。
まさに聖母。
ありがとう、Aちゃんを産んでくれたお母さん。
「……あ」
『ん？』
Aちゃんのお母さんと言えば、昨日駅のホームで見た女の人。
Aちゃんによく似た容姿と首の締め跡が気になったあの人が浮かぶ。
こんなの、野暮だけど…。
彼女の存在をAちゃんは知っているんだろうか。
「あの、さ。あんまり触れない方がいいかもしれないんだけど…」
『うん？』
「Aちゃんってお母さんに会ったことある？」
目の前のAちゃんは不思議そうな顔をした。
うっすらと口を開けて首をかしげて、僕の意図を読み取ってるみたいに。
そしてあっけらかんと笑った。
『まさか！私小さい頃の記憶はあんまりないから会ったとしても分かんないし、今このままの方が幸せな気がするから会えなくていいと思ってるよ』
「……そ、そっか！」
でも確かに、昨日あの人は僕と同じ電車に乗り、僕達が住む近くの駅で降りた。
もしかしたら、Aちゃんの様子を見に来た？
そんなふうに感じるのは気のせいではない。
あまりにも似すぎた。
あまりにも、母の存在が合致していた。
言うべきか？
「………」
僕は、Aちゃんには笑っていて欲しい…。
"言わない"が正解ではないだろうか。
『あっ、轟くんおはよ！お茶子ちゃんもおはよう』
「……おはよう麗日さん」
この頃Aちゃんがいやに儚く感じる。
それは、彼女の兄も同じなんだろう。
切島くん達の隙間から、Aちゃんを見つめるかっちゃんが見えた。
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麗葉 - お茶子ちゃん！私といいお友達になれそうだね！完結おめでとうございます！ (6月7日 23時) (
レス) @page24 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
八百(プロフ) - 終わり方が落ち着く…なごむ…ありがとう出久…とても素晴らしい作品でした。ありがとうございます！ (2019年3月23日 4時) (レス) id: db047f61b6 (このIDを非表示/違反報告)
こはる(プロフ) - もうえっと、一言で言うと神作品です(´；ω；｀)めっちゃ面白かったです！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2017年7月9日 12時) (レス) id: c33d23c980 (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - 語彙力なくてうまく表せないんですけど、言葉の使い方や話の構成がものすごく好みで、全部一気に読んじゃいました！新作の方のパスワード教えて下さると嬉しいです！ (2017年4月2日 23時) (レス) id: 04026620e1 (このIDを非表示/違反報告)
柊ツバキ - とっても見て笑顔が出るような最後でした！(*^^*)新作のヒロイン系ヒーローのパスワードを良かったら教えてください！m(_ _)m (2017年4月2日 20時) (レス) id: 798114a37d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと
| 作成日時：2017年1月8日 19時
