男●性●恐●怖●症【国見英】

charm＊appeal…13 ページ14

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国「ね、どうする？」


貴「……」



詰め寄っても、Aは何も言わない。

喋ろうとしない。


ついには、俯いてしまった。



国「いいの？言わなくて」


脅しかけてみても、何の反応も見せなかった。

ちょっとやりすぎたかな。





そう思って顔を覗いてみると


国「！






泣いてんの？」




貴「…っ」



小さく嗚咽を漏らすAは、我慢をしていたように見えた。



やっぱり、やりすぎたな。




しゃがんで、Aの目線に合わせる。


カッターシャツの袖で涙を拭くと、くすぐったそうに目を細めた。





国「ごめん。やりすぎた」


貴「……ん」


国「でも、怖かったんなら何で逃げなかったの」


貴「……」


国「…それも言えない？」



尋ねると、大人しくコク、と頷いた。

俺はもう一度謝り、



涙を拭かれてされるがままの状態のAを、どう宥めるべきか考えた。



子供みたいにあやせば泣き止むかな。


後は実行するのみ。




国「こっちおいで」


貴「…！」



腕を引っ張ると、素直に足を動かしたA。


その細くて小さな体を抱きしめると、腕がAの体に沈む感覚を覚える。


柔らかいし、本当に小さい。


しゃがんだまま抱きしめてピッタリってどういうことだよ。




しかし、

俺も本当に、らしくないことをするようになったもんだ。




国「泣き止めー」



トントン背中を叩く。


無表情でやってるから、はたから見ればおかしいかもしれない。


笑えってか。

無理だ。






貴「…っふ、ぇ…」


国「え」



待て、今泣く要素あった？


突然Aが再び泣き出し、俺が慌てる始末。


あやすのいけなかったかな？





いや、そんなことないか。


ちゃっかり、俺の背中に手回してるし。




国「…メンドクサイ奴」

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