男■性■恐■怖■症*2nd【夜久衛輔】

53→災い ページ11

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貴「……何それ」








Aちゃんが呟いた。







口許をキュッと結んで









肩を震わせていた。









それは、あのときのようなものではなく









「もう終わった」



「意味分かんない」









そんな簡単な言葉で言いくるめるものでもなく













　









　


貴「……はは、…は」









　


乾いた笑いが、静かに響いた。









　









　


貴「…………ごめん、って何」









貴「ごめんだけじゃ、……分かんないよ」









貴「…勝手に…いなくならないでよｯ」









　









　
カーテンのように垂れた髪が、何かをシャットアウトしているようだった。









ただ、髪の隙間から溢れて見える涙だけが









私の心を締め付けた。









　









すると、Aちゃんはゆっくり立ち上がって








　

　









清「…！？Aちゃん！！」









きっと、


　

宛もなく走り出した。









　









清「ま、待って…！」









追いかけようと立ち上がるも









いつの間にそこにあったのか、コーラの缶を踏んでしまったようで、フラついた。









　





………どうしようっ…









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