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一限が終わると休憩に集まった教師達が職員室で囁かな雑談をしている。
席の近い相澤、13号、ミッドナイトが書類だったり珈琲だったりを片手にある少女を話題に出していた。
それは必然とも言えた事象だった。
「一限で他の教師よりも早くお目にかかれちゃったけど、超常の世界に生まれた私たちでも驚くようなことって起こるものね」
二限も授業を控えているミッドナイトはイスには座らず机に軽く尻を預けて言う。
いつかの授業で使用するプリントをまとめていた13号は頷いて彼女に同調した。
「そうですね。超常という言葉で片付けてしまっていいものなのかはさておき、彼女の誕生は新たな個性の発見でもあります」
「発見と言うには不可解なことが多すぎるわよねぇ?」
「彼女自体が不可解ですからね」
ノートPCを前に珈琲を飲んでいた相澤は、二人の会話に耳を傾けながら目はノートPCの電子文字を追う。
個性について彼なりに調べているようだったが、Aのような事例は当然出てきはしない。
個性が突然変異した、という実例もあるようだが、突然変異のレベルが違いすぎた。
爆豪の個性は人間に具現化してしまったのだ。
行き着くところ、それは変異ではなく母体からの解離である。
しわの寄せられた相澤の眉間から感じられるのは、この事象による仕事と気苦労の増加だった。
「相澤くんはどう思う?彼女がなぜ今このタイミングで出てきたか、私とっても気になるんだけど」
「僕は彼女がなぜ彼女として生まれてきたのかが気になりますね」
相澤に話しかけたのはミッドナイトだったが、彼女の疑問よりも13号の素朴そうで深い考えに意識を持っていかれた。
彼女がなぜ彼女として生まれてきたか。
それは個性の原理に基づいた疑問なのか、あるいは。
「…どういうことだ」
「冷静に考えてみて欲しいんです。常闇くんの黒影のように、個性は持ち主の人格に影響される場合がほとんどなんですよね。黒影にハッキリとした性別がなくとも、常闇くんが男性であるなら黒影もその影響を受けているはずです。普段の言動なんか見れば分かりますね」
「なるほど!確かに、爆豪くんの性別やら気質やら、あの子は何も持ち主の影響を受けていないわね…」
「そう。完全に分離している状態なんです」
相澤は顎を指でなぞる。
分離という表現は相澤が先程考えていた内容と一致するが、そこに辿り着くまでにそんな要因があったとは思いもよらなかった。
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りと(プロフ) - KoKoRuさん» そうなんです、爆破だからもっと爆発的なイメージを持たれてしまうかな、と思って描かせていただきました。参考になったならとても嬉しいです!(´˘`*) (2018年1月22日 19時) (レス) id: 2e41884d99 (このIDを非表示/違反報告)
KoKoRu(プロフ) - なんかイメージよりフワフワした感じだけど、こっちの方が可愛いと思うので参考にさせていただきます! (2018年1月21日 22時) (レス) id: 43321ef465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2017年12月24日 21時