検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:32,571 hit

15 ページ18

.


SHRが終わると一限が始まる。


クラスのみんなが教科書やノートを机に用意する様子を眺めていたAは、当然のような疑問を爆豪に投げかけた。


「ねえ、私の教科書は?私は授業受けないの?」


彼女の声を聞いた途端、苦虫を噛み潰したような顔をする爆豪はやれやれといってAに向き直る。


Aにとっては当然といえば当然の疑問だが、その逆も然りである。
彼にしたら幼稚園児を相手にしているようなものなのだ。


爆豪は当然の回答をした。


「テメェは何様のつもりだ、たかだか個性だろうが。何で人間でもねぇテメェに教科書まで配布される義理があんだ?」


「でも制服はもらえたよ?制服を着ているうちは雄英の生徒ではないの?」


「ちげーよ、勘違いすんな。お前は俺のだ」


お前は俺の個性だ。


爆豪としてはそんなニュアンスで口にした言葉は、彼の後ろの後ろの席である峰田実にとっては聞き捨てならないセリフであった。


鬼の形相で近くまで来ていた上鳴に振り返り、前の二人を指差す。


「おい!何だアイツら!!主人と個性の関係だよな!?いつの間にぃぃいいい!?」


「お、落ち着けって。何か爆豪も朝からチョーイライラしてるし、お前八つ裂きにされんぞ」


「目の前でイチャイチャされて落ち着けるか!!美少女だぞ!?個性でも美少女なんだぞー!!!」


逆に、個性なのに美少女である必要はあったのか。
それは持ち主の能力に左右されるものなのか、爆豪が天才故に彼から生み出されるものすら造形が美しくなるというのだろうか。


そんなものこじつけでしかないが。


「マジでやめた方がいいぜ。Aちゃんだから許されてるのもあるしよ」


「何だぁ?そんなに機嫌悪いのか?溜まってんじゃねーの?」


「お前それ爆豪の前で言ったら爆破じゃすまねーぞ。いやー、さ。朝ご飯の時にいつも通り話しかけようとしたらよ、目が人一人殺しそうな勢いで」


「もう殺してんだろ」


「言ってやるなよ」


上鳴は朝のことを思い出しながらさりげなく爆豪のフォローにまわる。


確かに爆豪は機嫌が悪い。
本人も自覚していないほどの感情の機微であるが、爆豪はとにかく表に出やすい。


つまり何かが気に入らず怒っていることなど周囲にダダ漏れの状態であった。


しかしそれにも気づかない者がいるから爆豪本人も機嫌の直しようがなかった。
その不機嫌は元凶であるAにしか直せないということだ。




.

近況→←14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (132 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
190人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りと(プロフ) - KoKoRuさん» そうなんです、爆破だからもっと爆発的なイメージを持たれてしまうかな、と思って描かせていただきました。参考になったならとても嬉しいです!(´˘`*) (2018年1月22日 19時) (レス) id: 2e41884d99 (このIDを非表示/違反報告)
KoKoRu(プロフ) - なんかイメージよりフワフワした感じだけど、こっちの方が可愛いと思うので参考にさせていただきます! (2018年1月21日 22時) (レス) id: 43321ef465 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りと | 作成日時:2017年12月24日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。