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「校舎で爆豪の中から出ていいのはこの教室だけ。まぁ出来うる限り出てこないのが手っ取り早いが、お前の性分じゃ無理そうだからな」
「うん!!」
「はい、だろ。個性だろうが何だろうがお前も俺の生徒だ。俺がお前の先生だぞ」
「はーい」
「伸ばすな」
朝のSHR。
爆豪の隣に腰掛けて気安い返事をするのは彼の個性である通称:爆破。
爆豪が名付けたAという名前が彼女の通り名である。
このクラスの一員として身につけた雄英の制服は、彼女の最大の特徴である輝く橙色の髪がよく映えていた。
「インターン組と補習組以外の奴ら、何も行事がないからって気は抜くなよ。ヒーロー基礎学の実習に加えて更に特訓するくらいじゃないと実力面で見ればこの二組に到底置いていかれる」
相澤の苛烈な眼差しに射抜かれているクラスメイト達をAは見回す。
爆豪の記憶のデータからするとバツが悪そうに引き攣った笑み浮かべているクラスメイトは大概中間テストの実技で不合格だった、よく言えば成長の余地がたくさんある生徒ばかりだ。
自分の宿主は、彼の最も忌々しい存在である幼馴染に助けられた結果だったにせよ、担任の目に励んでいる生徒の一人として映っていることがとても嬉しく思った。
ニコニコとしているAを横目で眺めていた爆豪は少し呆れたように前に立つ担任に視線を戻した。
「じゃあ、SHRは以上だ。今日も頑張ろう」
はい!!と全員がそろった返事を聞いた相澤は満足気に教室を出ていく。
途端、真っ先にこちらに駆け寄ってきた切島がAに向かって爽やかすぎる笑顔を見せた。
「おはようAちゃん!」
「おはよう切島〜。そういえば朝会わなかったものね!」
「そうなんだよ、共同スペース行ったら爆豪しかいねぇし」
「20人しかいなくてあのスペースなのに逆に会えないのが奇跡だわ」
誰にも変わらない屈託のない表情が向かい合って喋っている。
爆豪は頬杖をついてその様子を睨むようにして見ていた。
二人は全く気づかないが、その後ろに座る緑谷は彼の視線の意味を少しだけ解していた。
「デクくん、どうしたの?」
「あ、麗日さん…。いや、ちょっと…」
Aちゃんってどこかで見たことない?
喉元に引っかかったそんな疑問を飲み込んで、お茶を濁す。
整理できない気持ちが渦巻いているのは、彼も、彼の幼馴染も一緒だった。
きっと彼女はどこかで、…
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りと(プロフ) - KoKoRuさん» そうなんです、爆破だからもっと爆発的なイメージを持たれてしまうかな、と思って描かせていただきました。参考になったならとても嬉しいです!(´˘`*) (2018年1月22日 19時) (レス) id: 2e41884d99 (このIDを非表示/違反報告)
KoKoRu(プロフ) - なんかイメージよりフワフワした感じだけど、こっちの方が可愛いと思うので参考にさせていただきます! (2018年1月21日 22時) (レス) id: 43321ef465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2017年12月24日 21時