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補習は終わり、また賑やかな夜はやってくる。
Aにとって二度目の夜はとても人らしいものだった。


「あ、轟。補習お疲れ様!」


「…ああ。お前も」


食堂で夜食をとっていた轟を見かけたAは彼と向かい合いに座った。


あまりに自然な動作で轟も不思議に思うところがなかったのか箸の動きは止まることはない。


口角を持ち上げて素足をぶら下げるAはそんな轟をじっと凝視した。


「それ、美味しいよね」


「ただのインスタントだけどな」


お前も食うか?とやっと止まった箸はAの口元に寄せられる。


間接キスだとは、わざわざ言うまでもなかった。


自分で差し出しておいて、間をおいて気がついた轟は少しだけ動揺していたようだった。


Aの頬もうっすらと赤みを帯びた。


「……そういえば、明日は普通に授業に出られるのよね?」


わざとらしい大袈裟な身振り手振りをつけて話を振ってくれるAに感謝しつつ、彼はそうだと頷く。


最後の方になるとすっかり伸びてしまったインスタントのラーメンは、そのかわり味が染み渡っていて悪くはない。


汁を一口含んだら片付けようと席を立った。


「私ね、もうすぐだと思うの」


その時だ。
彼女が突然、笑みを変えた。


「あなたの原点、もうすぐだと思うの」


「………原点?」


「そう。あなたの抱える罪が消える日」


いつか見た、醜く大きくなってしまった自分を受け入れてくれた母の笑顔を思い出した。


彼女の瞳からは幼さの色は消え、大人しめに垂れた眉が一層しおらしさを引き立てる。


何が起きているのか、この時轟には理解することができなかった。


「じゃあ、私も部屋に帰ろうかな。勝己待ってるかなぁ」


すぐに取り戻された純真が現れた笑顔には無理がない。


轟は瞬きをして食堂から出ていこうとするAの背中を見つめた。
橙色の髪が流れ、白い肌に吸い付き、光を反射している。


まっすぐ伸びた背中が頼もしく彼の目に映った。


「………A」


もう少し喋らないか。


呼び止められ振り返る彼女は驚いたように口を開けていた。


そもそも共同スペースに長居するつもりもなかったAはスリッパの履いていない裸足で彼にもう一度歩み寄った。


ぺたぺたと軽い音が
ふたりの距離を縮めていく。


「いいよ。何喋ろっか」




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りと(プロフ) - KoKoRuさん» そうなんです、爆破だからもっと爆発的なイメージを持たれてしまうかな、と思って描かせていただきました。参考になったならとても嬉しいです!(´˘`*) (2018年1月22日 19時) (レス) id: 2e41884d99 (このIDを非表示/違反報告)
KoKoRu(プロフ) - なんかイメージよりフワフワした感じだけど、こっちの方が可愛いと思うので参考にさせていただきます! (2018年1月21日 22時) (レス) id: 43321ef465 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りと | 作成日時:2017年12月24日 21時

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