01:満たされない感情 ページ2
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どこかの高校の制服を纏ったあいつは、毎日朝の8時頃、バーのある建物の前を通る。
朝は大体1人だ。
イヤホンをして楽しそうに口元を緩ませながら、風に揺られる黒髪が綺麗だと思う。
バインダーから覗くことが毎朝の日課になってしまった俺に最初は何かと口を出していた黒霧も、最近はそんなことに目もくれず新聞を読んでいたりする。
この前あいつと同じ制服を来たガキを見かけたが、リボンの色が違うことに気がつきその後ももう一色違う色のリボンを見かけた。
真新しい制服には青色のリボンと、着古した制服には赤色と緑色。
あいつは瞳と同じで赤色だった。
すなわち2年生、あるいは3年生ということだ。
あいつについて知っていることはこれくらい。本当に俺の一方的な関心はいつまで経っても届かないのが現状だ。
恋と呼べるほど軽いものではないし、愛と呼べるほど綺麗なものではない。
よく分からないままあいつを観察し始めて3ヵ月が経った。
「…飽きませんね、死柄木弔」
「横目でガッツリ見てるくせに知らないふりしてんなよ。どうせ敵だからって見下してんだろ、お前も」
「勝手な解釈はよして下さい。そこまで介入する権限は私にはありませんから」
あいつの姿が見えなくなってから、バインダーに挟んでいた指を抜いた。
カウンターに肘をついて気だるげに椅子に腰掛ける。その拍子に目に付いた自身の手のひらを見つめ、無意識に中指と小指だけが立っていることに伏せ目がちに溜息をついた。
グッと拳を握ってみれば普通の手のひらと変わらないのに、個性が個性だけに少しずつ蝕まれていった意識が普通を奪い消す。
そんなこと、もう諦めている。
「……………」
だから愛されないのかもな。
物事には必ず理由がある。
理由なくして物事は成り立たない。
あいつと俺の視線が交わることがないのも、俺が敵であいつが一般人で、関わってはいけない人種だからだ。
でもそれを憎いとは思わない。
すべてが不思議だ、この心は。
「オールマイトを殺せば何かが変わるのかな…？」
「……さぁ。どうでしょうね」
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続く (更新停止中)
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JACK(プロフ) - りとさん！ネットで死柄木さんの微笑見ました…！すごいよかった…敵連合にはちゃんと絆があったんですね！！りとさんが弔さんをヒーローにしてあげてくださいぃい！！ (2017年8月16日 16時) (
レス) id: 8f79e7693a (このIDを非表示/違反報告)
さくち - 新作！トガちゃんとトゥワイスに見せたのですか？あの表情本当に印象的で死柄木に対するイメージがちょっと変わりました。ヒロアカに根っからの悪人はいない、りとさんの言う通りだと思います。今作も楽しみにしています！りとさんの書く "ヒーロー"楽しみです！ (2017年8月10日 21時) (レス) id: 9cc17e8283 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - りとさん» 最新話ですか！わぁあ見たいです今見たら血吐くかもしれないです…！頑張ってください！これから楽しみにしています！ (2017年8月10日 15時) (レス) id: 8f79e7693a (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - JACKさん» めっちゃ最新話です！うおおおおおお！！！ってなって書いてしまいました(( ありがとうございます！ (2017年8月10日 15時) (レス) id: 2e41884d99 (このIDを非表示/違反報告)
JACK(プロフ) - 死柄木さんの小説ありがとうございます！！ジャンプの笑みとはいつのやつですか？最近ですか！？ (2017年8月10日 15時) (レス) id: 8f79e7693a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと
| 作成日時：2017年8月10日 15時
