25:卒業式のあの日 ページ27
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ふわふわ、幸せな夢を見た。
賑やかで楽しかった日々の終止符であった卒業式。
かっちゃんは相変わらず、眉間に皺を寄せて私と目を合わせようとしなかった。
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『お茶子！爆豪見なかった？』
卒業式の日、最後のHRを終えて私は爆豪を探していた。
結局2年、3年と同じクラスにはなれず、１年生の頃と比べてろくに会話をすることもなかったアイツを誰よりも優先して廊下を走る。
途中、相澤先生と遭遇した時は「廊下を走るな」と注意されたけど、先生はすぐに口元を緩めて「おめでとう」そして「頑張れ」と私の頭を撫でた。
胸が苦しくて、名残惜しくて、涙が滲む目を見られたくなくて私は必死に笑った。
私はもう18歳だった。
爆豪はすぐに19歳になる。
人生の分かれ道で大好きな人を手放したくない。
大人になることで爆豪との日々を奪われたくない。
卒業式がこんなに憎いものになるとは、入学当時の私は微塵も考えなかった。
もし、爆豪の心のほんの小さな隙間にでも入り込めていたのだとしたら、私は問いたい。
その小さな可能性を信じて言いたい。
私を、隣においてくれませんかって。
「爆豪くんなら外に行ったよ」
なかなか話せずにいたこの2年間は空白と呼べるかもしれなかった。
私の一方的な想いが空白を塗りつぶしていたとしても、爆豪がそれを空白として過去に仕舞っていたとしても、きっとこれが最後だから。
ほとんど玉砕覚悟で呼び止めた背中は、なぜか誰かを待っているように見えた。
それも私の想いによる錯覚なのかもしれない。
『…爆豪』
「………」
『あの、私…』
ぐるぐると思い出が蘇る。
私の中で爆豪が特別になった瞬間も、爆豪が笑った顔も、自惚れそうになった日々も。
お互いに連絡先を聞くことは今までなかった。
だから今日が終われば、私達の関係も綺麗さっぱり途絶えてしまう。
私にとっての特別がなかったことになってしまうのだ。
もっと笑顔を見たい。
もっとお喋りをしたい。
もっと近くに行きたい。
もっと、もっと、ずっと、一緒にいたい。
『っ…ね、ぇ…っ。終わっちゃう…！もう、爆豪に会えなくなる！いやだ…。わたし、爆豪の中から消えたくない…。離れたくない！』
振り返らない背中に向かって泣きながら叫ぶ。
最後だからって、口がどんどん動いて止まらない。
どうせなら絶対に忘れられないようなことを言ってやろう。
自虐的に、私の口は動いていく。
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麗葉 - かっちゃんがお父さんしてる？！夫婦揃って可愛いの極みなんですけど、、、とってもほんわかする作品をありがとうございます！ (6月7日 20時) (
レス) @page45 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 微笑ましい(笑) (2023年3月19日 4時) (レス) @page45 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
カノカノ - めちゃくちゃ面白かったです！かっちゃんが好きすぎてちょとヤバかったです。轟くんの、問題発言は笑いましたw (2021年6月25日 21時) (レス) id: 380b56bd12 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai(プロフ) - 今になって読んだ者ですぅぅ… 凄く面白かったです！かっちゃんがお父さんしてる…！ って感じでした笑 感動で何度も泣きそうになってしまいましたが何とか堪えました笑 (2020年11月3日 0時) (レス) id: 2d49307bc6 (このIDを非表示/違反報告)
たろ(プロフ) - なんかもう感動というかたくさんの感情が事故を起こしています。でも、私が今言えることは、産んだ。うん、私は子供を産んだ。誰がなんと言おうとかっちゃんとの子を産んだんだー！！！！ (2019年4月27日 2時) (レス) id: 418d22be85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと
| 作成日時：2017年4月3日 19時
