17:優しさは時に人を傷つける ページ19
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目を覚ますと、ボヤけた視界がだんだん鮮明になっていく。
暫くボーッと天井を見つめて、あ、私ベッドで寝かされてるんだ、とやっとのことで状況を理解した。
やけに後頭部がチリチリと傷んで起きようとしても押さえつけられているみたいに体が動かない。
…苦しい。
『……か、………ちゃ…』
言葉が出ない。
1人は嫌。
そばで聞こえる電子音が心臓を駆り立てた。
『っは、…ハァっ…』
「＿！爆豪さん！落ち着いて、分かりますか！？大丈夫です。大丈夫ですよ！」
『か、…かっちゃん…。かっちゃんは』
「旦那さんなら今は勤務中です。目が覚め次第、連絡を頼まれているのですぐ来てくれますよ、大丈夫」
同い年くらいの若い女性に優しく手を握られる。
その人は看護服を着ていて、周りをよく見てみればここは病室だった。
私の体に繋がれた沢山の管と、顔の大部分を覆う酸素マスク。
記憶が戻ってくると私の体は自然と動いた。
『っ赤ちゃん！お腹の中の赤ちゃんは！？』
「ダメです爆豪さん！無理に動かないで！」
『だって赤ちゃんが…！私、そう！いきなり襲われて…！倒れた時に赤ちゃんが……っ』
「胎児は無事です！お気持ちは分かりますが、今は赤ちゃんのためにも体を休めてください」
体を支えられながらゆっくり力を抜いて寝かされる。
看護師さんは私が不安に思わないように、ずっと笑顔で語りかけてくれ、
赤ちゃんが無事と聞いて情けなく泣いてしまう私を逆に褒めてくれた。
素晴らしいお母さんになると言ってくれた。
その看護師さんの左薬指には輝くものが見えて、この人こそ幸せになって欲しいと心から願った。
かっちゃんが病室に着くまでに簡単な検査を済ませ、念のための大きな検査は後日、もう少し体が回復してから行うそうだ。
この子達が助かるなら死んでもいいと思えたあの一瞬。
不思議と怖くはなくて、それが当たり前のように受け入れられたあの時は、確かに母親になれた気がする。
生きてこの子達に会える喜びを知った私は、病室に入ってきたかっちゃんの表情を見て酷く動揺した。
隈がひどい。
とても思い詰めたような表情で、かっちゃんは少し痩せたように感じた。
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麗葉 - かっちゃんがお父さんしてる？！夫婦揃って可愛いの極みなんですけど、、、とってもほんわかする作品をありがとうございます！ (6月7日 20時) (
レス) @page45 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 微笑ましい(笑) (2023年3月19日 4時) (レス) @page45 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
カノカノ - めちゃくちゃ面白かったです！かっちゃんが好きすぎてちょとヤバかったです。轟くんの、問題発言は笑いましたw (2021年6月25日 21時) (レス) id: 380b56bd12 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai(プロフ) - 今になって読んだ者ですぅぅ… 凄く面白かったです！かっちゃんがお父さんしてる…！ って感じでした笑 感動で何度も泣きそうになってしまいましたが何とか堪えました笑 (2020年11月3日 0時) (レス) id: 2d49307bc6 (このIDを非表示/違反報告)
たろ(プロフ) - なんかもう感動というかたくさんの感情が事故を起こしています。でも、私が今言えることは、産んだ。うん、私は子供を産んだ。誰がなんと言おうとかっちゃんとの子を産んだんだー！！！！ (2019年4月27日 2時) (レス) id: 418d22be85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと
| 作成日時：2017年4月3日 19時
