06→夢 ページ7
…ふわふわする。
白いモヤがかかって視界がぼやける中、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「A…!A!!」
久しぶりだなぁ、名前を呼ばれるなんて。
今まで誰も呼ぶ人がいなかった。
呼ばれたと言えば、小学生頃まで。
お母さんとお父さん、おばあちゃんが生きてた頃。
孤児院に入れられる前。
貴「…!」
暗転して、パッと映像が切り替わる。
これは、近くの公園。
ベンチに座ってるのがお母さん。
私が乗っているブランコを押しているのがお父さん。
今思えば、お母さんとお父さんが死んだのも飲酒運転をしていた男が原因だった気がする。
男 というワードが出た瞬間、
笑っていたお母さんとお父さんの表情が暗くなった。
幼い私は……気づいていない。
滴り落ちる赤い液体に、小さく悲鳴をあげた。
貴「ひっ……お母さんっお父さんっ?」
赤く染まっていく二人に手を伸ばす。
モヤが邪魔をして、届かない。
何で、何で。
気づいて。後ろを振り向いて。
幼い私に何度も呼び掛けた。
貴「気づいてっ…ねぇ!!」
また独りになっちゃう。
また手から溢れていく。
貴「おか…さん………」
ふと、黒い闇に包まれる。
やけに冷たくて心地よかった。
「…A」
貴「!?」
後ろから伸びた手が私の身動きを塞ぐ。
私の体を這いずり回って、ある一ヵ所で止まった。
「……痛い?」
その声に鳥肌が立った。
あの日、あの男子に
私の知らない、熱を帯びた杭を打たれたような感覚。
嫌な異物感に、吐き気がしたあの夜。
貴「や、……やだっ…助けて!!お母さん!お父さんッ…」
叫んでも、誰もいない。
『独り』
貴「いや…
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「A!!」
耳元で声がした。
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かのん - 夢かいwwwwwwwwwwwww (2017年5月7日 19時) (レス) id: f64d2008e7 (このIDを非表示/違反報告)
明日 - 夢オチwwwwww (2016年2月12日 18時) (レス) id: 57b9661c71 (このIDを非表示/違反報告)
朱里@吹雪宇宙(プロフ) - 夢かよwwwww (2015年8月23日 14時) (レス) id: 83d46670f9 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 夢オチ......クロのいや知らねえよでワロタww (2015年7月22日 8時) (レス) id: 12a0537246 (このIDを非表示/違反報告)
雷華(プロフ) - 夢オチのとこワロタwww (2015年7月20日 21時) (レス) id: c3ea1680c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りと | 作成日時:2015年6月28日 15時