男■性■恐■怖■症【夜久衛輔】

31→合宿 ページ33

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夜「あ！おーいA！」

貴「…！やっくん」



先程もらったビラを片手にAの元へ駆け寄る。




汚れたボールをせっせと磨いている姿に、思いがけず足がもつれたのは秘密。






貴「…なに？それ」







何かとビラを覗いてくるA。






その肩を勢いよく掴んだ。
　









貴「ひぃっ」




夜「今度な！」





貴「は、はい！」









ピンっと背筋を伸ばす。




思わず吹き出した俺に、Aは戸惑いの目を向けた。









貴「な、に…？」








夜「ふっ…ふふ…な、なんでもっ……」









貴「………なに」









夜「…………ごめん。悪かった。合宿があるんだ」









貴「うん………ん？」









夜「合宿があるんだ」








貴「…合宿？お泊まり？」








夜「うん……可愛く言い直さなくていいから」









貴「うん」









肩の力が抜けたのか、ホッと息をつくA。








あれ、合宿イヤじゃないんだ。









夜「合宿行けそうか？」








貴「うん…やっくん、私いなかったから大変って言った」









夜「まぁ確かに」









貴「やっくん助けてくれたから私も助けなきゃ」









フェアじゃない、と？









夜「そっか…ありがとな。それ、来週なんだ」









貴「ん。頑張ってみる」






コクコクと小さく頷き、ダイレクトにガッツポーズを決めた。








………可愛いな









夜「じゃぁ、その日は俺が迎えに行くから」









貴「分かった」









その大きな瞳が俺だけを映してくれるように






頑張んなきゃ。









夜「よっし！！」

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