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はち( ´ _ ` ) ページ10

貴「…辛いなぁ…」







あの時から勝手に抱いた、『仇』という責任感と、父率いる実験所の奴らに対する憎悪が、私を押し潰す。








ここから落ちれば死ぬのかな?




足元を見れば、石やらなんやらが転がっていて非常に危険だ。









あの時私が強かったら助けれたはずなのに。






今更強くなったって、意味がない。









強くあらなきゃって思うほど、私の心は酷く締め付けられる。







死んだら楽かな?







お母さんに会えるかな?








もう仲間が傷つくところなんて見なくて済むかな?








貴「お母さん…どうすれば…いいの?


まだ…まだ強くならなきゃ、またお母さんみたいに殺されちゃう…





でも…もぅ…いやなの…っ




何で闘わなくちゃいけないのっ…



お母さんの代わりに私が死ねば闘う理由なんてなかったはずなのに…



も…仇なんて…打ちたくないっ楽になりたいのっ…………」





急に、後ろからふわりと体が包まれる。





誰もいなかったはずなのに、鍵もしめたはずなのに、そこにいたのは




貴「カネキ…?」





今の、聞かれてた…?


涙でグチャグチャな顔が、真っ青になる。





貴「あははっ何でカネキがいるの?
勝手に女の子の部屋入るなんて処刑だっつの」




涙を見られないように、ただ前を向いて明るい口調で話す。



ダサいでしょ…?


こんなマヌケな姿…



貴「笑いなさいよ…」



ただ黙って抱き締めるカネキに、冷たく言い放つ。






貴「ただの弱虫だって分かって、笑えるでしょ…?だから…((カネキ「弱いのは僕も同じだ」…え?」







カネキ「僕も、心は弱いまま…泣いちゃうときだってある…」




だから、と付け足すカネキ。同時に、私のお腹をしめる腕の力が強くなる。







カネキ「Aも泣いていいんだよ」






あーぁ…優しすぎるんだっつの。




貴「…っ…ふぇ…ぇぇ……っぅ…」









がんばったね、なんて言って私の頭を撫でるカネキ。







『仇なんていいのよ』





どこからか、そんな声が聞こえた気がした。

きゅう( * _ * )-少注-→←過去



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白龍 - りゅうり@なゆさん» やっほー(^O^) 開いてもらえないからネットからこめんとさせてねww (2015年1月26日 21時) (レス) id: d169810906 (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - りゅうり@なゆさん» なるほどなるほどp(^_^)q頭の中に入れておくよ笑更新楽しみにしてますぜ! (2015年1月25日 20時) (レス) id: f3012756ec (このIDを非表示/違反報告)
りゅうり@なゆ(プロフ) - 白龍さん» そうだぉ!梟討伐作戦のときにまた絡ませてやろうと思う (2015年1月25日 20時) (レス) id: a73cd02181 (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - りゅうり@なゆさん» そうなんだよぉ〜!続編も読んだよ!てか、ジューゾーはなんなの?主人公がすきなのかな?あれは。 (2015年1月25日 20時) (レス) id: f3012756ec (このIDを非表示/違反報告)
りゅうり@なゆ(プロフ) - 白龍さん» おぉ!おかえりぃ~。白龍ちゃん全然来ないからシュン↓↓って感じだったwロックかけられてるとゎ、大変ですなぁ (2015年1月25日 19時) (レス) id: a73cd02181 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りゅうり@なゆ | 作成日時:2015年1月12日 2時

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