草食と見せかけて肉食なんです【東京喰種】

過去 ページ9

母「A…寝れないの？ふふ。じゃぁ、お母さんと一緒にお星さま見ようか」





そう言って私を抱っこして、寝れるまでずっとベランダでお話をしてくれた。






楽しかった。暖かかった。

お母さんが大好きだった。






なのに、突然訪ねてきた人達によって、私の幸せなんて粉々に砕け散った。





父が率いる喰種実験所の奴らが、お母さんを連れていった。



一人取り残された私は、何とか鼻を使ってお母さんがいる喰種実験所についた。





その当時はセキリュティが緩く、私でも簡単にはいることができた。


さらに匂いをたどっていくと、聞き覚えのある声が聞こえた。







「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」







貴「おか…さん？」



何でそんなに苦しそうなの。



何をされているの？




近くまで寄ると、酷い有り様だった。





貴「あ…ぁ…」




高笑いをした父が、血だらけの母を実験動物として、あらゆることを試していた。







何でお母さんを傷つけるの。


何でお父さんが…





父はいつも私には冷たく、実験ばかりで嫌いだった。




いつもいつも実験実験って。

口を開けば実験実験実験実験実験…





貴「お父さんが死ねばいいんだ…」



私の存在に気づいていなかった父に、赫子を思いきり突き刺した。


最後のあいつの顔は、滑稽だったなぁ…






貴「お母さんっお母さん！！」



揺すっても、揺すっても目を開かない母。



触る度に血でヌルヌルする私の手。




貴「やだ…やだよ…



起きてよお母さんっやだよっ…




ねぇ……」



私の願いはむなしく、何日過ぎても母は目を覚ますことはなかった。

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