草食と見せかけて肉食なんです【東京喰種】

にじゅうきゅう(・<・) ページ32

唯一の話し相手だった月山が帰ってしまって今。









貴「暇だなぁ………」









そう言えばヒナミ達はどこ行ったんだろ？









公園とかかな？









チラッと時計を見るともう既に午後４時を指していた。









暇だし、迎えに行こうかな？









ヒナミを一人で行かせるなんてことないから万丈もいるんだろうけど。









鍵を持って玄関を出る。








でも何故か出ちゃいけない気がして、公園までの道のりが長く感じた。









何か、胸がｻﾞﾜｻﾞﾜする。









心の奥にある何かが、警鈴を鳴らしている。









＿＿＿＿…一体何だってのよ









公園まで5mの位置。









ふと声が聞こえた。









盗み聞きなんて少し趣味が悪いけど…









そっと聞き耳をたてた。









「あたしは……………」







…？聞こえない…







もう少し近づいても大丈夫かな？








1・2mほど近づくと、聞きなれた声が耳を刺激した。









「あたし、カネキさんが好きですっ…」









緊張しているのか、その声は震えていた。









貴「あ…ゆ…？」









どうしよう。聞いてしまった。









カネキ……カネキはどんな顔をしてるの？









困ってる？怒ってる？それとも……









喜んでる？









少しの好奇心が胸をくすぐって、つい、除いてしまった。









あぁ、……見なければよかった。









どうして…抱き合ってるの……？









貴「なんでっ…………」









私は、あのときの危険信号を無視してしまったことを後悔し、その場を走り去った。









貴「…………っ」









声を押し殺して泣きながら。

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