草食と見せかけて肉食なんです【東京喰種】

じゅうなな( ` - ´ ) ページ20

カネキ「これはね、僕が知ってる話なんだけど…二人の男女の話。」






少女は、母親が大好きだった。


母親と過ごす時間が楽しくて、幸せで。


だけど、そんな幸せはその少女の父親によって壊された。


心も体もボロボロになった少女は、アオギリに拾われた。


その中でも特にヤモリという男に気に入られ、拷問部屋から逃げられないように手足を鎖で縛られた。


食事もろくに与えられない状態で、ヤモリのペットとして働いていた少女は
、ある少年と出会った。


その少年はヤモリに連れてこられ、すでにボロボロだった。


そんな少年に、少女は懸命に話しかけた。


「私が助けてあげる」

「死なないで」

「あともう少しだから」


どれも少年をなだめるには十分な言葉で。


それでいて優しい声で。


少年は少女といるだけで安心することができた。



少女の優しさの中にある強さが、少年を救った。


『自分より他人を』


そんな少女の常識は、素晴らしかった。


でも、そのせいで傷ついていく少女を目の当たりし、少年は決心した。


『今度は僕が君を救う番だ』



と。

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