767 ページ8
部屋を出る。
貴寛さんの背中を見つめて…
拡散されてしまっている写真のことを話したほうが
良かったんじゃないかと思う。
taka「A…おまえ…くくっ…かわいいね」
急に振り向いてそんなことを言われて。
喜んでいいのかどうしていいやら…困る(笑)
A「…急に、なに？はずかし」
taka「心配かけないようにウソついただろ…買い物中の写真のこと。知ってたんだけど、俺。健とかいろんなヤツからすぐLINEで教えてもらってさ。おまえも誰かから教えてもらったんだろうけど。…お見通し、なんだけど！」
我慢してたのか、急に吹き出す。
え…そ、そう…そんな…
taka「はあっ！もうさ、泣きすぎてるし。ライブ見る前から泣かないもん。おまえは。ね？」
部屋、戻ろって手を取られて。
また二人になる。
taka「ごめんな。不安にさせてる、俺…こんな状況で歌っても…いいのかな…ほら、また泣いて…」
…我慢しなくていいって分かったから。
貴寛さんにしがみつくようにして、また泣いた。
A「…ごめっなさいぃ…っ…わたし…だいじょ…ぶ…っ…たくさん歌……聞かせてっ！！」
涙を流すのは…もう今日はおしまい！
ぐっと涙をふいて、貴寛さんに笑いかける。
taka「…ふふっ。鼻水ふけよ(笑)」
もうっ！出てないもんっ！
でも気になるから…鼻に手を…
taka「うっそー(笑)…ね、A…」
至近距離にぐっと顔が近づいてくる。
taka「…今日さ、二人きりで愛しあおうな♪」
そ、そんなこと…んもー…
最高に、とびっきりの笑顔しちゃってる…
A「…そんなの、無理でしょ？貴寛さんたら…」
涙もすっかりひっこんだ。
改めて。部屋を出るために貴寛さんの腕を
ひっぱる。
taka「あぁ？心配いらないって。今日はあいつらオールだから。ここには、い、な、い、の…」
んんっ、と耳に吹きかかる…
taka「…あれー？感じてたりする？まだまだ早いからね…よし、じゃ、行くか！！」
…やられっぱなしだよ。
ほら、と差し出された手をきゅっとにぎる。
いよいよライブが始まる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆず | 作成日時：2018年6月11日 0時
