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心配かけないように。
彼が私のことで気を揉まないように。
taka「はぁっ？さっちゃん？…なんのこと？」
え(笑)
急にぶっきらぼうになってます、貴寛くん？
やっぱり内緒だったみたい…(笑)
後で怒られるだろうなぁ、笹岡くん(笑)
忙しかったのか、声が聞けたのは3日ぶり。
LINEのやりとりだけでもうれしいのに。
でもやっぱり…この優しかったり少し意地悪だったりするこの声が…聞きたい。
A「…好き」
taka「え？A？どしたー？急に…照れる(笑)」
会話になってないね(笑)
会いたいとかさみしいを口にしないように
気をつけて。
taka「で？どう？仕事は。はかどってる？」
帰国してから慌ただしかったからか、そんなふうに
気遣ってくれる。
A「うん！カンを取り戻してきてるよ。貴寛さんは？進んでる？」
taka「…まぁね。行ったり来たりのときもあるけど…頑張ってる。あと少しのとこまできてるよ」
私には分からない、経験したこともないような
高い高いハードルに向かって飛ぼうとしてる。
頑張ってるね…きっとみんなも。
taka「お、おう。じゃ、そろそろ行くわ。A、じゃあまた。もう一仕事あっから！じゃね！」
うん！
暗くならないように、精一杯の声で答える。
スマホを持ったまま、ひとつため息。
待ち受けに写る、貴寛さんと私。
めちゃめちゃ笑顔。何がおもしろかったの？
いくつか保存した写真たちを眺める。
見つめあって。
微笑んでほっぺに手が触れて少し照れてる、私。
優しく微笑んでたかと思えば、ニヤリとして
私のほっぺをつまむ貴寛さん。
二人で撮ったもの、誰かが撮ってくれたもの。
増えていく思い出。
でもなんだかさみしい。
貴寛さんが、みんなが遠い遠い手の届かない
ところへ行ってしまうようで。
頑張ろうと気持ちを改めようとするたびに
不安も押し寄せる。
大丈夫。
一人じゃないんだ。
遠く離れてても。
気持ちはつながってるよね。
そっとコウモリをなでて。
A「…大丈夫」
ふう、と深呼吸。
また明日から頑張ろう。
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作者名：ゆず | 作成日時：2018年6月11日 0時
