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taka「A」
波の音を聞きながら。
手をつないで歩いてる。
からみつくようにつながれた手と手が…嬉しくて…
A「んー。なぁに？たかひろっ」
何だか分からないけど、ずっとこんなふうに
呼んじゃってるな…
さっきまで見惚れるくらいまぶしい笑顔を見せて
いた彼が、真剣なまなざしに変わって。
taka「アルバムができて、日本に帰ったら…結婚するだろ。でね、その後なんだけど…」
その、後…？
あ！新婚旅行かな…なんて(笑)
taka「おいっ(笑)そんなの行かねーわ(笑)！まぁ、ハワイくらいなら連れてってもいいけど。じゃなくて！」
…口にしてもいないのに私がニヤケてるだけで
察してくれた(笑)すごい！
taka「日本と世界でツアーやるんだけどさ、日本はともかく、世界に出てったらほとんど帰れないから。海外ツアーでしばらく会えなかったことあっただろ？あれより長く…会えなくなる」
A「…うん」
会えなくて不安で…ケンカもしたよね…
それより長く…ずっと会えないんだね…
taka「ついてきてもいいんだけどね。そうなると仕事もやめて、ってことになるんだけど。すぐにはやめらんないだろ？さて、どうしよ？」
ぐっと体を寄せて、たかひろが微笑む。
どう、しよう…か。
A「仕事は…結婚したらやめるつもりでいたから。ちゃんと引き継ぎもして…うまく渡せると思う。心配ないよ。私は大丈夫！！ツアー、ついていっていいの？！」
ついていってもいいって聞いて、ちょっとテンションが上がっちゃう…(笑)
taka「えーっと(笑)。いやまあ、たぶんね。ホントにそんな感じで大丈夫なのか？会社にも相談しないと…」
苦笑いしてる。
ふふっ…
taka「まぁ…それくらいゆるーくいてくれた方がいいのか(笑)。けっこう…気抜けたわ、もう…」
頭にこん、と痛くないゲンコツが降り下ろされる。
taka「泣かれると思ったのにさ…つまんね…(笑)」
笑いながらほっぺをそこそこ強めに引っ張られる。
A「ひひゃひーははひほーほーっ！」
Sっ気が出てるよ！痛いってば！
taka「あ、toruだ。はいはーい♪」
ジンジンするほっぺをさすりながら。
そんな日がいつか本当に来るんだなぁと
ぼんやり思っていたのでした…
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作者名：ゆず | 作成日時：2018年6月11日 0時
