771（taka） ページ12
さて。
そろそろかな…
ryota「ほな！そろそろ行くわー！」
tomoya「ええなぁ。ほんま、ええなぁ…」
toru「tomoya、はよ、行くで。またな」
3人「どーぞ、ごゆっくりーーーー♡」
ほかのスタッフも、どこかニヤニヤしながら
家を出て行く。
Aは顔を真っ赤にしたまま、俺の後ろで
そっと手を振ってる。
やっと訪れた、二人だけの時間。
急に静かになった家は、少しさみしいような…
A「貴寛さん？」
のぞきこむように俺を見るA。
さてと。
まだまだお楽しみがあるんだよね…
taka「A。俺から贈りたいものがあります。部屋、行こう」
不思議そうな顔のままのAをひっぱるように
連れていく。
taka「そこ、座って。はい！えーっと…」
さっきまでみんながいた部屋。
アコギを持ち出して、Aの前に座る。
A「なになに？もしかして…歌ってくれるの？」
みるみるうちにキラキラした笑顔になる(笑)
分かりやす…ふふっ…
taka「そう。…最近、作ったのと。Wherever you areと。一人で歌うの、緊張するわ…(笑)」
うんうんと何度も首を縦にふって。
俺とギターを見つめてる。
taka「…じゃあ。Aのためだけに、歌う」
練習したギターのフレーズを、ゆっくり鳴らす。
目の前のAをときどき見ながら、ギターにも
目をやって。
Aがどこにいても 泣かせたりはしない
Aがどこにいても …
僕の真ん中にあるのは きみだから
いつもお前と共に…
そんな思いをこめて。
最後まで歌った。
taka「…愛してる。おまえがどこにいたって」
A「……んっ…ぅうっ…」
言葉にできないくらい泣いてるし…(笑)
taka「まだ泣くの早いよ？今度は全部、日本語」
伝わりやすいと思うよ…
♪♪〜
きみをきれいにあいしたい
きみだけをきれいにあいしたい
ただただ きみをあいしていたい
まだまだ きみをあいしたい
きみを あいしたりない…
鼻をすする音が嗚咽に変わって。
歌い終えた頃には…
A「…たかひろっ」
ギターを抱えたまんまの俺に。
Aが飛びついてきたのだった。
A「ずるいっ…こんなの…っ…好きすぎる…」
えっ(笑)
ギターを下ろして、ゆっくり抱きしめる。
taka「気に入ってくれた？よかった…」
まだまだ涙は止まらないみたいだ。
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作者名：ゆず | 作成日時：2018年6月11日 0時
