鏡音レンが貴方の5倍大好きですがなにか？(^ω^ ) (ページ45)

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思い出ページ45

「…狐鉄に会ったのか…？！」

かえってきたのは、意外な言葉。

「え…？レン知ってるの…？」

目を見開いて私を凝視するレン。
でもなんでレンが…？

「そうか…あいつまだここにいたんだな…。よかった…。」

レンは安心したように眉を下げ、持っていたカップを私に渡してくれた。

「ありがとう…でもなんでレンは狐鉄さんのこと知ってるの？」

私がコップに入っていたホットココアをすすると、レンは懐かしそうに目を細めた。

「狐鉄はな…俺の最初の友達なんだ。
小さい頃…俺友達できなくてさ。

よく森の泉で本読んでたんだ。

そんな時だよ。狐鉄が現れたのは。

ーー『…いつも本を読んでいるんだね。』

ーー『だっ…だれっ…？』

ーー『僕は狐鉄。この森で育った狐だよ。』

ーー『狐…？』

ーー『そう。狐。』

なんの感情もない無表情で話しかけてくる狐鉄だけど…

なぜだかあいつとは、なんの怖さもなく話すことができたんだ。」

狐鉄さん…確かに無表情で無機質な目をしていたけど…

優しいって事だけはわかった。

「それから毎日のように狐鉄に会って…。どんどん仲良くなった。

でも俺がバスケを挫折して諦めた時、狐鉄は言ったんだ。

ーー『足折ったくらいで…治ってからまた始めればいいじゃないか。』

俺は…それにどうしても納得できなくて…。

ーー『ずっと森で引きこもってる狐にはわかんないだろうな！』

ーー『…』

ひどいこと言ったって、後で気が付いたよ。
謝りに行った時にはもう…遅かった。

その日から狐鉄に会えなくなったんだ。」

どこか遠くを見つめて語るレン。

そこまで仲が良かったなんて…ちょっと驚き。

「きっとまた会えるよ…！私でも会えたんだから。それに…」

「…それに？」

レンは少しくびを傾げる。
私はそれに笑ってみせた。

「…狐鉄さん、僕には見えるって言ってたよ。レンのこと。」

「…そうか。」

レンはうれしそうに笑って、私はそれに少し安心する。

「…あ、やべ。ミクオ達に連絡してない。」

レンは今思い出したらしく、席を立つ。

「一緒に探してたんだよ。電話リビングだから行ってくる。」

「うん…色々ごめん、でもありがとう。」

レンはそれに微笑んで頷くと、部屋から出て行った。

只今の時刻…

午前8時26分。