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朝(2) ページ44

「ほら、行きな。君の大切な人、まだ君を探しているみたいだし。」


「レンのこと…?」


「多分、その人。僕には見えるから。…さあ。」


狐鉄さんはすっと腕をあげて、その出口とやらを指し示す。

「あのえっと…その…」


ありがとうが言いたくて口ごもっていると、彼ははぁ、とため息をついてその指を空中でくるっと回してみせた。


すると風が吹き抜けるような音がして、それをかき消すかのように、私の後方からどさっと音がした。


「何っ?!」


私がびっくりして振り返ると、そこには木から落ちたらしい雪のかたまり。


「なんだあ…びっくりし…た…?」


私が視線を前に戻すと、そこには私が今朝通った森の入口。


狐鉄さんは…そこにはいなかった。


「行っちゃったのか…」


まだありがとうっていってないのに…

私が下を向いた途端、ものすごい寒さと疲れが私を襲っ た。

「あれ…」


うまく足に力が入らない。きっと体が冷えているせい。
助けてもらったとはいえ、雪の中で寝ていたって結構な致命傷だな。

「っ…」


そのままぽすっと地面に座り込む。
さむい…


家は目の前なのに。


「A…?」


もう一度立ち上がろうとした時、かすかに聞こえた声。


空耳かと思ってもう一度力を入れると、今度はもっとはっきりと聞こえた。


「A!!」


「レン…?」


声の方向に振り返ると、そこには雪を蹴って走ってくるレンの姿。


私の所までたどり着くと、ぎゅっと抱き寄せた。


「つめた…家入るか?」


心配そうに私を見つめるレンに頷くと、レンは軽々と私を持ち上げた。


いわゆる、お姫様だっこ。


レンは慣れない行為に赤くなる私を部屋のベッドまで運ぶと、ふわっと布団をかぶせてくれた。


「…飲み物、持ってくるよ。」


「ありがと…」


さっきの焦った様子からして…
たくさん探したんだろうな…


部屋から出て行ったレンを確認して、私は天井をみた。


狐鉄さん…
性格はアレだったけどいいひとなんだよね…?


っていうかいい狐?


そもそも狐って一体…?
守り神か何かかな…


お化けだったらどうしよう!
やばいなんか怖くなってきた。


あ!呪文か何かかも!

「こ…こ…」

ーガチャ…

「おまたs「狐鉄っ!!!」


ーーーーシーン…


…タイミング悪!!!!

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リリア - Aです! (2018年4月17日 15時) (レス) id: a20dd5bbf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう( ´・ω・` ) - ゆまさん» マジですか?!嬉しすぎて涙 (2012年8月29日 13時) (レス) id: 8355c5a42e (このIDを非表示/違反報告)
ゆま - おもしろすぎる!この前泣いちゃった (2012年8月22日 16時) (レス) id: 30cd8e5dcf (このIDを非表示/違反報告)
ゆう( ´・ω・` ) - うっさ さん» がんばるー!!ありがとうっ(`・ω・´) (2012年8月18日 12時) (レス) id: 8355c5a42e (このIDを非表示/違反報告)
うっさ  - 続編頑張ってー!>∀<ノシ (2012年8月18日 10時) (レス) id: a651d170d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆう( ´・ω・` ) | 作成日時:2012年7月31日 13時

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