#142 異変 ページ5
「只今」
静かにドアを開ける。
この時間、ミクオはバイトを終えて帰ってるはず。
だから、いつも学校から帰ってきたときは、返事が返ってくる。
だけど今日はなかった。
「にいちゃぁん? いないの?」
私の声が反射して響く。
廊下を歩くと足音が響く。
リビングのドアを開ける。
異様な匂いがしたきがしたけど、気のせいだろう。
キッチンに足が見えたので、覗き込んでみた、
「兄ちゃん?」
そこには、ミクオが仰向けで寝ていた。
「もう… こんなところで寝ちゃダメだよ?」
そう言って、私はミクオの頭に手を入れて、持ち上げようとした。
…髪としてあるまじき感触。
サラサラのはずのミクオの髪が… ヌメっていた。
力を入れて、頭を持ち上げた瞬間。
部屋中を生臭い匂いが包み込んだ。
異変を感じ、さっきミクオの後頭部に触れた左手を見た。
私の左手は、真っ赤に染まっていた。
体の震えが始まり、とめようにも止まらない。
ミクオの後頭部を見ると、
青緑の髪が 真っ赤に染まり上がっていた。
119。 救急車が来て乗せられる。
原因不明 意識不明 重体。
震える声で、携帯越しに声という名の息を吹きかけた。
「出て…」
「はい? Aどうしたの?」
いつもどおりの、リンの声が響く。
「あの… 病院 近所の!! 先に行っておいて!! 私もあとから行く」
それだけを伝えて、電話を切った。
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あいか - 本当に泣けた! (2013年9月8日 3時) (レス) id: 1e6a1e1b56 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 感動しました(´;ω;`)ウッ… (2013年3月16日 11時) (レス) id: 128cb8551b (このIDを非表示/違反報告)
みかん - ごめんなさい 実は、私、知りませんでした\(//∇//)\受験生なのに、ここまでかけるとは‥Σ( ̄。 ̄ノ)ノすごいですねo(^▽^)o (2013年3月9日 14時) (レス) id: aa2b7b5dfa (このIDを非表示/違反報告)
闇音 月(プロフ) - 完結おめでとうございます。面白かったです。お疲れ様でした。 (2013年3月5日 19時) (レス) id: d0d5f6d780 (このIDを非表示/違反報告)
心音おと(プロフ) - 終わるんですか?他にレン君の小説は書きますか?この小説好きだったので…終わっちゃったのは悲しいんですが… (2013年3月5日 17時) (レス) id: b52ef8a4d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:へたレン娘 | 作成日時:2012年10月25日 23時