＃172 生存【レンside】 ページ35
「それって…」
「意識は回復しました。ただ…」
「ただ?」
「患者が…生きることを望んでいません」
…それって…どういうことだ。
Aが? …何で
「とにかく…来てください」
手術室に入る。
医者の押さえる手を振り払い、Aは酸素ボンベを外した。
時間が進むごとに、減っていく心拍数。
「れ…ん…」
息の切れた声で俺の名前を呼ぶ。
「生きよう?生きてまた、元気になったらデート行こうよ。式だって挙げよう。ね?」
「あり…が…と」
「な?生きよう。これつけたらまだ生きられるよ。俺と一緒にいよう。ね?」
俺がのばした手を震える弱々しい手で握る。
「レン…大好き」
「俺も… お前がいないと…生きられないよ」
「レン…は… 生き…て?」
Aは目に涙を溜めて、微笑んだ。
「Aと一緒に… もっと…ずっと傍にいてよ」
「レン… 大好きだよ …だから 生きて」
「Aも生きて」
「永遠に愛してる。またいつか…絶対に… レンのもとに…
ピッ――
ピッ――――
ピ―――――――――
「Aッ!!」
Aの、鼓動が途絶えた。
心拍数が…0になった。
「うぁぁああああああああああああああ!!!」
眠るAの前で、俺は泣き崩れた。
その日から、俺は指輪を肌身離さず持つようになった。
寝るときは、Aの仏壇の指輪の上に置く。
それが俺とお前の最後のつながりだから。
07/18。
俺とお前の記念日の一つ。
お前が眠る前の… 確かめ合った愛は
ずっと俺の心にいるよ。
The End。
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あいか - 本当に泣けた！ (2013年9月8日 3時) (
レス) id: 1e6a1e1b56 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 感動しました(´；ω；｀)ｳｯ… (2013年3月16日 11時) (レス) id: 128cb8551b (このIDを非表示/違反報告)
みかん - ごめんなさい 実は、私、知りませんでした\(//∇//)\受験生なのに、ここまでかけるとは‥Σ(￣。￣ﾉ)ﾉすごいですねo(^▽^)o (2013年3月9日 14時) (レス) id: aa2b7b5dfa (このIDを非表示/違反報告)
闇音 月(プロフ) - 完結おめでとうございます。面白かったです。お疲れ様でした。 (2013年3月5日 19時) (レス) id: d0d5f6d780 (このIDを非表示/違反報告)
心音おと(プロフ) - 終わるんですか？他にレン君の小説は書きますか？この小説好きだったので…終わっちゃったのは悲しいんですが… (2013年3月5日 17時) (レス) id: b52ef8a4d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：へたレン娘 | 作成日時：2012年10月25日 23時
