＃171 存在【レンside】 ページ34
朝日が昇ってから数時間たった。
「人の姿があります!!」
とある警官の無線が響く。
「貴方来てください!!」
その警官は、俺の腕を引いて、走り出した。
何分走った? どのくらい走った? わからない。
事故の遭ったところから少なくとも5kmは走ってる。
「落ちた学生は…この方ですか?」
傷だらけになった少女の姿。制服もボロボロ。
「A…」
その姿は、紛れもなくAだった。
俺は冷たくなった体を強く抱きしめた。
夏とは思えないほど、冷たかった。
「―です!! ―が―」
緊急手術。意識不明の重体。
お願い… 生きていて!!
まだ結婚もしてないし、一緒にどこかに行こうねって約束したのに…
また俺はお前を守れなかった。
俺は最低だ。
何だよ、彼女ひとり守れない俺なんて…
俺がアイツの代わりに死にたい。
俺がいなくなっても…
アイツには生きていて欲しい。
溢れた涙は頬を伝って消えた。
『何…いってんの。私はレンがいない…世界…なん…て…』
Aの声が聞こえた。
「A…」
「…レン?」
「どうしたの?」
「…いや、なんでもない」
『レン…苦しいよぉ… 私…死んじゃうのかなぁ…』
「死なないよ」
『本当?』
「だって…今苦しいんでしょ? 生きてるからだよ??」
『私… 頑張るよ? レンのために』
「うん」
『レン… 聞いて。これだけでも聞いて??』
『大好きだよ ずっと…永遠に』
目を閉じると、唇になにか触れた。
俺のじゃない、涙が流れた。
肌を伝って流れたAの涙。
姿は見えないけど…そこにいるんだな。
「愛してる」
小さくそう呟くと、消えた。
「もう… 限界のようです」
歩いてきた医者は、そういうと俯いた。
−−−−−−−−−
受験により更新遅れてました;;
まだ受験終わってないんで更新また遅れそうですが
ゆっくり公開していこうと思います。
気長に!!
＃172 生存【レンside】→←＃170 危機？【レンside】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいか - 本当に泣けた！ (2013年9月8日 3時) (
レス) id: 1e6a1e1b56 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 感動しました(´；ω；｀)ｳｯ… (2013年3月16日 11時) (レス) id: 128cb8551b (このIDを非表示/違反報告)
みかん - ごめんなさい 実は、私、知りませんでした\(//∇//)\受験生なのに、ここまでかけるとは‥Σ(￣。￣ﾉ)ﾉすごいですねo(^▽^)o (2013年3月9日 14時) (レス) id: aa2b7b5dfa (このIDを非表示/違反報告)
闇音 月(プロフ) - 完結おめでとうございます。面白かったです。お疲れ様でした。 (2013年3月5日 19時) (レス) id: d0d5f6d780 (このIDを非表示/違反報告)
心音おと(プロフ) - 終わるんですか？他にレン君の小説は書きますか？この小説好きだったので…終わっちゃったのは悲しいんですが… (2013年3月5日 17時) (レス) id: b52ef8a4d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：へたレン娘 | 作成日時：2012年10月25日 23時
