トクベツ ページ45
side.Maru
スバルくんの大声が聞こえた気がして、
部屋で本を読んでた僕は、リョウちゃんの部屋に向かったわけやけど。
部屋の中見たら、
床にはスバルくんのチカラで拘束されてるタツ。
なんか涙目になってるヤス。
そんで、リョウちゃんのベッドに駆け寄るスバルくん。
っていう何とも、よう分からん状況やった。
「・・・っリョウ!」
「スバルくん・・・?」
駆け寄ったスバルくんを見つめるリョウちゃん。
そして、
「無事で、よかった・・・。」
涙目になりながらそう言い、スバルくんの頬に手を添えた。
スバルくんは、その手にそっと、自分の手を重ねる。
零れた涙を優しく拭うスバルくん。
微笑みながら見つめあう二人。
あぁ、お互いがお互いを“トクベツ”って思ってるんやって思った。
邪魔しちゃいけないって思うような、そんな素敵な空気だった。
そんな時、
「・・・コホン。」とわざとらしく咳払いする男が一人。
微笑み合っていた二人は、ハッとしたようにこちらを向いた。
「すまんな。邪魔して。」
「い、いや、別にそんなんじゃないけど。」
「リョウに頼みたいことがあってな。」
「俺?」
「そ。これ見て。」
そう言って、ユウくんは床に転がっているタツを指差す。
「たぁくん!?しかもこの糸・・・スバルくんどうして?」
「・・・タツはリョウのチカラを奪おうとした。」
「えっ・・・。」
「スバルの言う通りや。
タツはリョウを狙う闇の住人に、操られとるみたいなんや。
せやろ?ヤス。」
「おん。
俺の首を絞めたこいつの力は、普段のこいつからは考えられへんぐらい強かった。
・・・明らかに、別のチカラが働いとった。」
気のせいやろうか。
そう言ったヤスの声は少し、震えている気がした。
「そういう訳や。
そんでリョウに頼みたいことはな。
タツからその闇の力を追い出してほしいんや。」
「ど、どうやって?」
「リョウ、昨日のこと覚えとるか?」
「昨日?」
「そう。怪物を倒した時のこと。」
「えっと、スバルくんを助けなアカン!!ってそう思ったら、
怪物が苦しみだして・・・。」
「なるほど。思うだけでええってことか。」
ユウくんはそう言って、唇を触る。
その時。
「うわ!」
リョウちゃんが驚いた声を上げた。
僕はリョウちゃんの方を見て、ハッと息を呑んだ。
スバルくんのように、真っ赤に染まった両目。
「リョウ、何が見える?」
「スバルくん・・・。昨日の怪物と一緒や。
たぁくん、真っ黒や。」
優しく語りかけるスバルくんに、リョウちゃんはそう答えた。
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あんずみんと(プロフ) - 雅愛さん» コメント嬉しいです!ありがとうございます。こんな亀更新の作品を待っていて下さる方がいらっしゃると思うと本当に励みになります。ここから山場になりますので、ぜひぜひお楽しみに(*´▽｀*) (2017年9月29日 19時) (
レス) id: 9bdb6ebf5b (このIDを非表示/違反報告)
あんずみんと(プロフ) - NoahLさん» コメントありがとうございます。滞りがちだとは思いますが、一生懸命更新いたしますので、どうか最後までお付き合いください(●´ω｀●) (2017年9月29日 19時) (レス) id: 9bdb6ebf5b (このIDを非表示/違反報告)
雅愛(プロフ) - 初めてコメントします。この小説好きです!!楽しみに待ってますので、作者様のペースで、ゆっくりでも更新頑張って下さい！ (2017年9月28日 19時) (レス) id: 5040adfde3 (このIDを非表示/違反報告)
NoahL - メッチャおもしろいので頑張ってください!! (2017年9月19日 19時) (レス) id: 4c6cfc05cd (このIDを非表示/違反報告)
あんずみんと(プロフ) - ぱんだ野郎。さん» コメントありがとうございます(*´▽｀*)のろのろ更新だとは思いますが、ちゃんと完結させますので、ぜひぜひ最後までお付き合いください!!お楽しみに!! (2017年7月18日 21時) (レス) id: 72e4412768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんずみんと | 作成日時：2017年4月15日 11時
