【MASHLE】無敵で素敵な魔法使い！ (ページ9)

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現代最強と神覚者② ページ9

Aは再び魔法局に呼び出されていた。

「前に言いましたよね？次に破壊したら刺身のハチミツがけの刑に処すと」

「…そうでしたっけ？」

無表情だけど威圧的なオーターに、すっとぼけるA。
そんな彼女の態度にオーターの苛立ちは増す。

「待った！！私の好物を私刑に使うなんて酷くないか！？」

「いや、アレは刑罰モンだろ…」

2人のやり取りを見ていたカルドはすかさずツッコむも、他の神覚者たちは満場一致でカルドの意見を否定した。

((何故刺身にハチミツをかける！？))

神覚者たちの白けた視線がカルドに刺さる。
背後でそんなやりとりが行われているなど露も知らないAは声を上げた。

「そもそも!」

「…何ですか」

「オーターさんは、“次に何か破壊したら”と言いました！」

「…」

「でも今回、私は氷漬けにしただけで、破壊はしてません！！」

「……」

「…」

約束は破ってナイヨ！と主張するAにオーターは呆れて閉口する。

「…確かに壊してはないな！」

「ライオ！？」

「オーター、ここはAの成長(?)に免じて無罪放免ってことにしないか？」

「ら、ライオ様ー！！」

ライオの擁護にAはキラキラとした期待の眼差しをオーターへ向ける。

「…はぁ、その無駄に輝かしい視線を向けるのは辞めて下さい。全く、なんだかんだ言って甘いですね」

「Aは男前の素質があるからな。それに無駄に顔が綺麗だし」

「え、さりげなく貶されてる…？」

謎の理論をかますライオに、付き合ってられんとばかりにオーターは踵を返した。

「今回はお咎め無しにしましょう。ただ、次は無いですよ」

「はーい」

間の抜けた返事に青筋を立てるも、これ以上相手にする方が面倒だと思い直し、オーターは立ち去った。

それに釣られるようにして他の神覚者たちも去ってゆく。

「Aさんよぉ、いつか本気でオーターにしばかれるぜ？」

「あー…オーターさん口うるさいお母さんみたいだもんね」

その場に残ったレナトス・リボルとくだらない会話をしていたAに、同じく残っていたレイン・エイムズが声をかけた。

「早く学校に戻らなくていいのか？」

「そうだった！お兄様ありがとー」

「お前の兄になった覚えはない」

Aの軽口に律儀に返すレイン。

当たり前だが、Aの兄ではない。フィンの兄と言うだけで勝手に呼んでいるのである。