【MASHLE】無敵で素敵な魔法使い！ (ページ8)

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現代最強と氷漬けページ8

「あ〜あ、やっちゃった…」

氷漬けになった辺り一面を見渡して、Aは項垂れた。

「A・モルガーナ、級硬貨(コイン)を賭けて勝負だ！！」

「…はぁ」

事の始まりは授業が終わり、寮に戻ろうとしていたAは名前も知らぬオルカ寮の生徒に決闘を申し込まれたことだ。

─今度何かを破壊したら刺身のハチミツがけの刑に処す

とオーターに脅されてるAは乗り気になれないのだが、あの(・・)モルガーナ家歴代最強と言われるAの魔法が気になるのか、周りが盛り上がり始めた。

それに気を良くしたオルカ寮の生徒は、一方的にAに約束を取り付けた。

「おい聞いたか！？」

「ああ、あのA・モルガーナが決闘をするんだろ！？」

「相手はオルカ寮の3年らしいわ！」

話が大きくなり、後に引けなくなったAは渋々指定された場所へ向かう。

(断って腰抜けとか思われたくないしな)

Aが到着すると、相手生徒の他にたくさんのギャラリーができていた。
ただし、Aの攻撃力の噂は皆知っているので、被害を受けないように遠巻きに見ている。

「お互いフェアになるよう級硬貨(コイン)を賭けて戦う。俺は銀貨２枚、お前は金貨１枚だ！」

(フェアとは…？)

フェアと言いつつ不公平な条件を言い渡す相手に、Aは呆れることもなく受け入れた。

(どーせ私が勝つし、なんでもいいや)

「俺からいくぞ！！ウォーターフロー！！」

「…」

威勢よく攻撃を放つ相手に、Aは考えた。

攻撃魔法で反撃すると十中八九辺り一帯に被害が出る→刺身のハチミツがけの刑
正数値(プルスヴィエート)で水を蒸発させても魔力量で勝るので燃える→刺身のハチミツがけの刑

どのパターンでも最悪の結末しか見えなかった。こうなったらアレしかない。

「これでどうだ！！」

「…」

(全ての攻撃が無力化されていく…！)

(これがモルガーナ家の固有魔法─絶対値(アブソルータヴィエート)！！)

「今度こそ…！！」

「…いつまで経ってもそんな攻撃じゃ、私に傷一つ付けられないよ？」

「クソッ！」

めげずに魔法を放っていた男子生徒だが、いつまで経っても戦況に変化がなさそうなのでAは飽きていた。

(まあ、威嚇くらいならいいか。指輪してるし)

「負数値(ミーノスヴィエート)」

これにて、冒頭に戻るのである。