【MASHLE】無敵で素敵な魔法使い！ (ページ43)

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現代最強と職権濫用ページ43

マッシュの為に頭を下げたウォールバーグに、ソフィナが慌てて頭を上げるように言うがウォールバーグはそのまま話し出した。

「確かに彼は魔法が使えない…。素行もあまり良いとは言えん…誰かさんよりはマシじゃが。学がある訳でもない。じゃが人の心を動かす不思議な力を彼は持っておる」

※誰かさん＝A

「彼のような者がこの世界の認識を変えるとワシは信じておる。
もちろんそれだけではない…。これまで魔法の使えない者は劣等種とされてきた…。

じゃがワシはその不当な扱いを些か疑問に思う…」

ウォールバーグは今の常識そのものが間違っているのではないかと説きはじめた。それでもオーターは良しとするつもりは無いらしい。

「いくらあなたとは言え、自分の思想を押しつけようなんて…」

「オレからもお願いする
校長に賛同するのもあるが、マッシュ・バーンデッドには信頼するに足る理由がある。オレ個人としてもな」

レインも校長に続くように頭を下げるが、他の神覚者たちはやはり意見を曲げる気はないようで、オーターは改めて言う。

「考え直す必要などない…魔法不全者は処分すべきだ。アナタたちは感情ばかりが優先して合理性に欠ける」

その時、さっきまで寄生魔法虫に寄生され奇跡の生還を果たした魔法局の副局長が言った。

処遇については神覚者たちと同意見であるべきだが、その処分されるべき魔法不全者(マッシュ)に命を救われたのもまた事実であると。

「無責任な判断だと思われても致し方ない。だがこのけんあを一任されたのはあくまで私…。

どうか彼に猶予を与えさせてもらえないだろうか

私をどう処分して頂こうとかまわない。しかし私の決定は揺るがない」

そう言い切った副局長に続くようにAも口を開いた。

「個人的な感情を優先するなと言うならば裁定者として言う。

裁定者─A・モルガーナはマッシュ・バーンデッドを巨悪である無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)に繋がる手がかりだと判断した。

故に彼を打倒無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)の手駒としてモルガーナ家の保護下に置く」

などと色々理由をつけてるが、まあ職権濫用である。裁定者の立場を濫用して友達を庇っているだけだ。

副局長とAの話を聞いたオーターは仕方ないと言わんばかりに口を開いた。

「条件をつける」