【MASHLE】無敵で素敵な魔法使い！ (ページ32)

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現代最強と役割ページ32

保健室に運ばれたトムの見舞いに行くと、数多くの生徒が寝込んでいた。原因は不明だが一時的に魔法が使えなくなっているらしい。

校長が魔法局に呼び出されたタイミングでこんな事が起きたので、色々と怪しい。

トムは気をつけるように忠告をするも、原因が分からないと対策のしようがない。結局、自分たちの身は自分たちで守るしかないと結論づけたのだった。

─その日の夕方

陽が沈みかけた頃にAは呼び出されていた。
いつものように神覚者に呼び出されるのであればまだマシだが…

「来たか、A・モルガーナ」

「何の用？」

四方を穴の開いた石(アダーストーン)の装飾で囲われた部屋の中央には、大きな水晶玉が鎮座している。
水晶玉に映し出された人物は顔を布で隠したまま、部屋に来たAに話しかけた。

「相変わらず生意気な娘だ。…フン、ここに呼び出したのは忠告する為だ」

「忠告ぅ？」

「モルガーナ家の役割を忘れるな」

「…役割……」

「民から与えられし裁定者としての役目を果たせ。さもなければお前のいる意味が無い」

Aの意見は受け入れず、一方的に会話を進める相手に思わず声を上げるA。
水晶には同じように顔を隠した人物が複数人、Aの様子を伺っている。

「裁定者？そんなの力を恐れた弱者たちが自分にその猛威が振るわれないように抑える為だけの“名ばかりの役割“じゃん」

「なっ…モルガーナ貴様…！！」

「言葉に気をつけなよ？私はその気になればアンタらなんかいつでも消せるんだから」

もう話すことはないと、Aは水晶玉に背を向ける。

「っおい、待て！！話はまだ！！」

「役割だっけ？良いよ、アンタらの茶番に乗ってあげるよ」

水晶玉から呼び止める声を無視して、Aはイーストンへ戻った。

─そして寮の消灯時間を過ぎた午後11時…

Aが部屋に戻ると、同室のレモンがいなかった。

「…夜這いにでもいったのか？」

マッシュへの愛が重いレモンのことだし、あり得る…。
Aは失礼なことを考えていた。

一方のマッシュたちは、徘徊するレモンの後を追っていた。

「は？」

「いない…」

「うそだろ！？行き止まりだぞここは！！」

後を追っていくと行き止まりになっておりレモンの姿は見えない。しかし、物音がするので不気味がるフィンとドット。

「落ち着け…これは魔法だ。

ディスクロズ」

ランスが呪文を唱えると扉が出現した。