【MASHLE】無敵で素敵な魔法使い！ (ページ3)

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現代最強と決闘ページ3

「ミスった」

Aはぽつりと呟いた。
眼前には青々と生い茂った緑が広がっているハズ(・・)だった。

たった今A・モルガーナに更地にされるまでは。

(イヤイヤイヤ…)

(イヤイヤイヤイヤ…)

(流石に初級呪文で森消滅はねぇだろ！！！)

遠巻きに見ていた生徒は心の中で絶叫する。Aが放った魔法は初級呪文(低威力の魔法)であるにも関わらず、イーストン魔法学校周辺を囲むようにあった森を消滅させた。

否、語弊がある。

正確にはAが放った向きにあった森が消滅したのであって、魔法の範囲外は無事だ。

「これでもアザ一本分に制御したのになぁ…」

(これで！？)

人よりも魔力が多いAは、授業などでは魔力量を調整している。というか、調整しないと今のように火力が高すぎて大惨事になり得るのだ。

因みに全力だったらここら一帯消滅していても不思議ではない。

では目の前で起きた惨事は何があったのかというと、上の学年の生徒に絡まれ、(無謀にも)決闘に挑まれたAが脅しの為相手の真横に魔法を放っただけである。

決闘の相手は高火力な魔法にビビり散らかして失神している。

「おーい、生きてるー？」

「」

「おっかしーなぁ…アザ一本分くらいに手加減したのに……」

(真横であんな魔法喰らったら誰でも気絶するって！！)

本人曰く滅茶苦茶加減したらしいが、なんせAは現代最強の呼び声が高い魔女なのだ。アザ一本分＝常人と同じなワケが無かった。

紫がかった青い瞳を瞬かせるAは、本気で困惑していた─相手がこの程度で失神するとは思わなかったからだ。

「先輩弱っちすぎない？」

Aは自分は手加減してるし相手が弱すぎたと結論づけた。

森を消滅させたことに対してお咎めありそうだなぁ…と沈んだ気持ちで、未だ気絶している生徒に近づく。

「確か決闘の勝者は賭けられていた硬貨(コイン)を全取り…だっけ？」

ここでいう硬貨は通貨ではない。
イーストン魔法学校では、毎年学校生活を通して金銀銅の硬貨を集め、金貨5枚を集めると神覚者試験が受けられる資格を得るのだ。

「私がコイン持ってても仕方ないんだけどなぁ…」

Aはお家柄(・・・)神覚者になる事はできない。そもそもその資格があったとしても、本人に興味はない。

寮に寄付するかと考えながら、Aは学校に戻った。

(いや、気絶してる(この)人はー！？)

もちろん放置である。