【MASHLE】無敵で素敵な魔法使い！ (ページ20)

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最強(物理)とシスコンページ20

攻防の末、マッシュの左ストレートがランスに掠る。

「ん？なんだこれ」

その時、何かがマッシュの足元に落ちた。ランスのロケットペンダントである。パカと中身を見ると幼い女の子の写真が。

「……ろ、ろろろろ…

ロリコンだ…この人」

マッシュはドン引きした。

「警察呼ばなきゃ、犯罪者だ…「違う」じゃあ犯罪者予備軍」

「違うと言っているだろ」

散々な言われようである。

「オレはロリコンじゃない。

シスコンだ」

「」

「」

「その感じで？」

マッシュとAは、まさかの言葉にフリーズした。

(そのクールな感じでシスコンなの？…？？？)

Aは理解が追いつかず一時停止状態のまま動かなくなった。

「時にキノコ頭、この世で一番尊いものとはなんだ？」

「えっ、そんな急に…ん─シュ「違う」…」

脈絡のないランスの問いに困惑しながらも答えようとするも否定された。マッシュは困ったようにAを見る。
ようやく一時停止から解除されたAも口を開く。

「富「違う」名声「違う」酒池肉林「違う。どこかの独裁者かお前は」…」

Aの古代王族みたいな回答にランスは突っ込んだ。

「人の命」

「違う」

「愛「違う」自由「違う」シュ「違う」」

「違う、違う違う違う

なぜ即答できない…

1+1=2、黄色と青を混ぜれば緑…決まりきった答えだ」

「つまりこの世で一番尊いものとは…？」

「オレの妹だ」

「…」

「…」

Aとマッシュの心が重なった。

「「価値観は人それぞれなんじゃ…」」

「ほとほと愛想がつきる。この世はバカばっかりでな」

「こわっ」

バカにするように見下すランスにマッシュは呟いた。

(何でこんなキャラの濃いシスコンのことを私は忘れてたんだ？)

当時はここまでシスコン全開ではなかったからである。

ローブからフィンたちが閉じ込められたビンを取り出したランスは、崖下に向かって手を伸ばす。
そしてビンから手を離し重力魔法で落下速度を加速させると言う。

「お前はコイツらを助けるためにビンを拾おうとするだろう。オレはそこを攻撃させてもらう。悪いな」

そう言ってパッとビンから手を伸ばした。

本当に(・・・)人命がかかっているのなら助けに行くべきだろうが…とAは考える。

(あのビン…)

「グラビオル」

重力魔法で加速したビンはとんでもない速さで落下していく。