【MASHLE】無敵で素敵な魔法使い！ (ページ15)

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現代最強と監督生ページ15

実家からの煩わしい手紙に返事をしたAは、ふと昔のことを思い出した。ランスに会った影響もあるのだろう。

(そういえばいつの間にか婚約者を決めようパーティー(?)無くなったな…)

それもそのはず。何度も開かれるパーティーに嫌気がさしたAが、「私より強い男じゃないと婚約する気は無い」と言ったからである。

最強と呼ばれる彼女よりも強い人なんているわけがない。モルガーナ夫妻は、何とかしてAの機嫌を取ろうとしたが既に反抗期に突入していたAが聞く耳を持つわけがなかった。

結果、強引に婚約者を決めAの機嫌を損ねるよりもAの好きにさせて水面下で婚約者を決めた方が良いのでは？という話になり、パーティーは開かれなくなったのだ。

(どうせあの口うるさいモルガーナ家の連中はは水面下で何か企んでるんだろうけど)

考え事をしながら歩いていると、後ろからAを呼び止める声が。

「ちょっといいかしら？」

「…」

オルカ寮の監督生─マーガレット・マカロンである。
Aは他寮の監督生に呼び出されるようなことをしたか？と考えているが、無自覚だろうが結構やらかしている。

例えば前回の氷漬け事件の時の上級生はオルカ寮の生徒であるし、中等部時代から度々決闘を挑んできた者の中にはオルカ寮の生徒も複数いる。
大体を威嚇して追い返してるが、その威嚇に問題があった。神覚者から呼び出しを食らうほどには高火力なのだ。

同じ寮の生徒からそう言った報告が相次げば、風紀のためにも監督生が出てくるのもおかしな話ではない。

まあAからしたら、相手が弱すぎんのが悪いじゃん？で済む話なのだが。

「A・モルガーナ」

「他寮の監督生がなんか用？」

「アナタねぇ…血の気が多いのは結構なんだけどやりすぎなのよ」

「というと？」

「“辺り一面を氷漬けにし、危うく凍死するところだった”、“魔法を全て無効化され馬鹿にされた”、“雑魚と罵られた”など、アナタと決闘した生徒たちからクレームが止まないのよ」

「…それ、私悪くなくない？相手が弱っちぃだけじゃん」

クレームというよりも、Aに負けた負け惜しみである。
少々Aも口が悪いが、それも周りとの実力差を考えると雑魚と言われても否定は出来ない。

「そうなんだけどねぇ、あまりにもクレームが多いから監督生としても注意せざるを得ないのよ」

困ったように頬に手を当てるマカロンに、Aは思う。

(中間管理職って大変だなぁ)