【MASHLE】無敵で素敵な魔法使い！ (ページ14)

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現代最強とお披露目会ページ14

ランスは、Aと会った時の事を思い出していた。

(あの時も、アイツは興味が無さそうだった)

数年前─

ランスは両親に連れられて大きな屋敷に来ていた。

「いいか、A・モルガーナ様に気に入られるんだぞ」

「A様に気に入られれば安泰ですからね!」

モルガーナ家のご令嬢のお披露目会─というのは表向きの話で、その実はモルガーナ家次期当主であるA・モルガーナの婚約者を決めるための催事なのだ。

モルガーナ家の恩恵を受けたい者たちが、ここぞとばかりにA・モルガーナに婚約を申し込む。ランスの両親もそうだった。

このパーティーには名だたる家のものたちが参加しており、特にAと同世代の息子がいる家のものは率先してAと顔合わせをしたがった。

大人たちのいいように使われるのはゴメンだとランスは思いながらも、挨拶をするために両親と共にAの元へ行く。

青みがかった銀髪を編み込んだ、なんとも美しい少女が座っていた。不思議な色の瞳は何とも感情が読めない。

─彼女がA・モルガーナ…

最強との呼び声が高いので、もっと厳つい容姿を想像していたランスは、衝撃を受けた。

「ほら、ランス。挨拶しなさい」

「…ランス・クラウン」

「こら!…ハハハ、すみません。A様があまりに美しいものだから照れちゃったみたいで…」

「…あっそ」

Aはチラリとランスを見るも、つまらなさそうに視線を外した。

Aにとってこの催事は親が勝手に開催した、何ともつまらない催しで、大人の考えが透けて見えるため、退屈していた。

それ故に、同世代の子供を紹介されたとて、仲良くする気は毛頭ない。

その後何度かパーティーが開催されるも、Aは一向に誰とも話す気配を見せなかった。

結果、Aの心境など知る由もないランスは、つまらなさそうな顔をしているヤツ、という認識をした。

授業を受けていた時のAを思い出す。

(アイツ、あんな顔出来るんだな)

昔からの馴染みである自分が知らない顔があることに、何とも言えない気持ちになる。

(そもそも、俺のことは一切覚えてないのに、アイツらのことは名前で呼ぶんだな…)

思い出したら腹が立ってきたランスであった。

ちなみに、ランスと同じような思いをした人物が複数人いる事をここに記しておく。