【MASHLE】無敵で素敵な魔法使い！ (ページ13)

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現代最強と昔馴染みページ13

信じられない展開に皆が目を疑った。困惑からざわめきが起こる。そして次第に歓声に変わる。

ありえないほどの指の力でボールに回転をかけてマッシュが投げると、あり得ないカーブを描いて手元に戻ってきたのだ。

「なにぃぃぃぃぃぃぃぃ」

10-50の絶望的な状況から一転、マッシュによって試合がひっくり返ったのだ。それも、ただの逆転ではない。

「999-60…カンスト？」

(いや…)

(なにこれ…)

(こわっ…)

歴代最高得点─というかカウンターが上限を迎えるほどの大量得点で圧勝した。

そしてこの功績は瞬く間に学内中に広がり、学校新聞の一面を飾った。

「さすがマッシュくんですね！」

「まさか逆転しちゃうなんてね…」

「彼の筋力はどうなってんだ…？」

レモンと話すAを見て、フィンはふと思う。

(最近気づいたけど、Aちゃんって基本的に興味のない人間のことは覚えていないんだよな…)

フィンのいう通り、Aは興味を惹かない人間のことは名前はおろか顔も覚えない。いい例が教頭やキャベルだ。中等部からこの学校にいるのに、全くもって覚えていなかった。

「Aちゃん？どこ行くんですか？」

「ちょっと野暮用〜」

レモンたちと別れ、Aは寮とは反対方向に進む。
今朝実家から手紙が来ていたのを思い出したAはフクロウ小屋へ向かったのだ。

「Aか？久しぶりだな」

「？」

フクロウ小屋への道中、アドラのローブを着た男子生徒から話しかけられるが、Aは全く覚えてない。

さも知り合いかのように話しかけてくる男子生徒に、Aは思い出そうと考えるが、基本興味がなければ忘れるので全く記憶になかった。

「…ごめん、誰？」

長考した結果がこれである。

「…覚えていないのか？」

「もしかして実家絡み？だとしたら全く記憶にないわ、ゴメン」

全く申し訳なく思ってないような軽い謝罪に、男子生徒は苛立つ。

「…ランス・クラウンだ」

「？」

ああ、クラウン家の人か…。そう思うも、やはりAに会った記憶は無かった。

「まあいい。俺はここで自分の目的を遂行する為にお前を超える」

「ふぅん」

Aに声高らかに宣言すると、ランスは去っていった。

が、Aは最後までランスと以前会った時の事を思い出せなかった。

(まあ多分、小さい頃に親からお見合いを兼ねたパーティーに参加させられてたし、その時にでも会ったんだろう)