【MASHLE】無敵で素敵な魔法使い！ (ページ1)

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現代最強の誕生ページ1

─皆が魔力を持つこの世界。

全てのものが魔力によって動き、魔法は無くてはならないもの、それがこの世界の常識だった。

生まれながらにしてそれぞれ魔力を持ち、その量によってアザの数は変動する。一般的には魔力量の多い人ほどアザが増える。この世の大多数はそこそこの魔力を持って生まれ、顔にはさまざまな形のアザが一つ刻まれている。ごく稀に、並外れた魔力を持ったアザが二つある人物がいる程度だ。

一方で、全く魔力を持たずに生まれる者もいる。そういった者は魔法不全者と呼ばれ、処分される。

この世界では魔力の強い者ほど優遇されるのだ。

しかし、例外もある。力を持ちすぎた故に危険視され処罰の対処となり得るケース。まさに、モルガーナ家の子供は生まれた時から"危険視"すべきか見極められ、ある基準を超えると要監視対象として生を受けるのだ。

─A・モルガーナもまた生まれた時から危険視されていた。

モルガーナ家は代々強い魔力を持って生まれてくる。その為世界のバランスを保つべく裁定者という役割を与えられ、いついかなる時も中立の立場で居なければならない。

つまり、力の持っている者が危険思想を持ち合わせていたら世界が滅んでしまうからである。

A・モルガーナはモルガーナ家の血を色濃く受け継いでいた。モルガーナ家歴代当主の中でも最強と謳われた者だけが持っていたという固有魔法を受け継いでいたのだ。

固有魔法【絶対値(アブソルータヴィエート)】

モルガーナ家最強の固有魔法にして、その名の通り絶対値を操る魔法。
従来は【値(ナンバー)】を操る魔法で、正数を操る【正数値(プルスヴィエート)】と負数を操る【負数値(ミーノスヴィエート)】、どちらかを受け継ぐことがほとんどだったが、A・モルガーナはその両方の抱き合わせである【絶対値(アブソルータヴィエート)】を受け継いだのだ。

どちらか片方持っているだけでも強魔法の部類なのだが、その両方を手に入れ更には絶対値を0にすることで魔法を無効化できるのだ。

絶対値の使い手は、その時代における最強となり存在だけで世界の力の均衡を変えるとまで言われている。それ故に魔法局はAを危険視するのだ。

そして、絶対値を間違った使い方をしないようにと、生まれた時から魔法学校への入学が決められているのだ。