錬金術師と過去の話 ページ7
修行も次の段階に入った頃。
2人とも私の電撃に慣れてきたようで、絶縁体をうまく使いながら攻撃を躱していた。
そろそろこれも使ってみるか。
私が雷の次に得意とする錬金術。
「悪いがもう電撃は喰らわないぞ」
「だろうね！！」
手を合わせてオーターが発生させた地面の砂に手をつく。
するとみるみる凍っていき、ランスとドットの足場が凍り始め動きを封じた。
「相手の攻撃がワンパターンとは限らないでしょ？」
「クソっ」
「あ、動かない方がいいよ。下手に動くと皮膚が剥がれるし…」
「ヒェ！？」
「…はぁ、Aやりすぎるなよ」
オーターに注意され、炎を錬成し氷を溶かす。
「火も使えんのかよ！？」
「錬金術師は魔法よりも一個人が使える属性に幅があるのか…」
「うーん厳密にいえばちょっと違うかなぁ」
「…どういうことだ？」
今まで静観していたオーターも興味を持ったらしい。
錬金術の話ってそういえばオーターにもあまり話したことはなかったな…。
「そうだな、魔法って研究している研究職の人もいるでしょ？」
「ああ、確か魔法局にそういう部署もあったような…」
「魔法研究管理をする部署がある」
「そこでの研究ってさ、多分研究者によって研究する魔法の部類が変わってくるでしょ」
「人体に関わる魔法の研究をしている学者や四元素の魔法を研究している者の研究書は読んだことがあるな」
「つまり、錬金術師も同じってこと」
錬金術師もそれぞれ自分の興味のある分野について研究する。
医療や人体についてだったり、鉱石や物質についてだったりね。
そして私が中心となって研究しているのは
「気象。それが私が主に研究し毎年国に提出している論文のテーマ」
「気象？」
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作者名：雹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Haku_SHS/
作成日時：2023年7月9日 0時
