【MASHLE】奇跡の術師様Ⅲ【鋼の錬金術師】 (ページ44)

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錬金術師とその後ページ44

こうして、無邪気な淵源(イノセント・ゼロ)は捕まり、世界に平和が訪れた…。

▽

数ヶ月後。

「A」

「オーター」

件の研究者を問い詰めた私はアメストリスへ帰る手段を見つけた。
帰還方法は、来た時と同じく人体錬成陣を使い真理の扉を通して帰るといったものだ。
ただし、それだと代価を持っていかれるのでその代価を魔法で補うといったものだ。

「帰るのか」

「うん、アルフォンス(弟)とウィンリィ(義妹)が待ってるからね」

「…そうか」

魔法局の中にある私の研究室に、人体錬成陣を書いた大きな扉が設置された。
これこそが、アメストリスへ戻る為の扉である。

「それでは私から行くとしよう。中尉たちを随分待たせてしまってるからな」

「オレもウィンリィに怒られそうだな…」

准将とエドは挨拶もそこそこにさっさと帰って行った。
私も、そろそろ…

「A」

「！」

オーターに呼ばれて振り向くと腕を引かれて抱き寄せられた。
せっかく決意したのに、こんなことされたら離れがたくなってしまう。

「泣くな」

「んっ…」

気付かぬうちに涙が溢れていたようで、そっと拭われる。そして優しく口付けられた。

「あっ」

「…」
「…」

そこにタイミングよくマッシュたちが現れた。
どうやら、別れの挨拶を言いに来てくれたらしい。

…タイミング……。

恥ずかしくて思わずオーターの後ろに隠れた。

「なんか、ごめんね？」

マッシュとランスは涼しい顔をしているが、フィンは顔を真っ赤にしている。
レモンは、何を考えているのか目を輝かせてこちらを見てくる。
そしてドットは、ダメージを受けていた。…ごめんて。

「Aちゃん、ありがとうね」

「私のこと忘れないでくださいねー！！」

「世話になったな」

「エドワードくんたちにもよろしくね」

「…Aちゃん、好k「…」ぐおっ！？」

ドットがオーターに攻撃されてたが、いつものことなのでスルーした。

「こちらこそ、ありがとう！！」

振り向くと、涙が止まらなくなりそうなので躊躇せず扉を潜った。

─

「姉さん！！」
「A！！」

「アルフォンス！ウィンリィ！！」

扉を潜ると見慣れた金髪が飛び込んできた。
私がいなくなってから、だいぶ時間が経っていたらしい。
二人とも目に涙を浮かべていた。

「姉さん、おかえり」

「…ただいま！」

私を待っててくれた家族に思い切り抱きついた。

「？その砂時計は？？」
「…内緒！」

─FIN