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「杖がなければなんもできないんでしょうが、魔法使いは」
「貴様…！！」
マッシュのグーパンが完全に無邪気な淵源を捉えた。
「やったか……！！」
「………」
「……」
視界が晴れると、無邪気な淵源は地面に打ち付けられ動かなくなった。
「えっ」
シィン
「そういえばなんかさっき、すごい鈍い音がしたけど…」
「…」
「…」
フィンの言葉に辺りが静まる。
無邪気な淵源の顔が横に向いた事で、打ち付けられた頭から血が流れてくるのが見えた。
「……」
「え…？」
血は止まる事なく流れ続けている。
「これ………
イヤイヤ、まさか無邪気な淵源がこんな簡単にやられるワケ無いんじゃ…
「………マッシュくん…。いくらなんでも……それは……」
フィンが首を横に振る。
「そ…そんなつもりじゃ…」
「…とりあえず証拠を隠滅しよう」
「ってなると穴掘るか？」
「なにこの姉弟！？」
エドと証拠隠滅を図ろうとシャベルを錬成していたら、なんだか嫌な気を感じた。
「……なんだこの寒気は…」
無邪気な淵源の力が解放されていく。そして眩い光と共に異形になった無邪気な淵源が起き上がった。
マッシュはそんな様子を気にもせず、さっき錬成したシャベルでせっせと穴を掘っている。
「感謝するよ、更なる進化のためには強大な力で封印を解く必要があったとは…」
つまりマッシュの最後の攻撃が、相手の力を解放するトリガーを引いてしまったという訳だ。
「おかげで完全な姿になれた…」
「はっ」
「……」
証拠隠滅の為、一緒に穴を掘っていたマッシュが、ようやく無邪気な淵源に気付いた。
「………よかった…。良かった、生きてて…」
「今、埋めようとしてたよね！？」
フィンのツッコミが響き渡った。
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作者名：雹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Haku_SHS/
作成日時：2023年7月9日 0時
