錬金術師と証拠隠滅 ページ39
「姉さん！！」
「…エド」
どうやら真理から戻って来れたようだ。何やらエドが巨大な壁を錬成して守っていてくれたらしい。
マッシュの方を見ると、寝ているはずの台の上には居なかった。
…もしかして失敗した……？
「あの筋肉の人は敵の大将と戦ってるよ」
「え！？」
エドに言われ、無邪気な淵源の方を見るとマッシュが殴っていた。
ええ…
「真理といい無邪気な淵源といい…マッシュは筋力で解決しすぎでは…？？」
「え？」
「…真理の扉の黒い触手あるじゃん？アレを力技で引きちぎって扉を倒してた…」
「は？」
そりゃ信じられないよね。私もいまだに信じられない…。
でも、今までも筋力で解決して来てたし、今回はめちゃくちゃ筋トレしたから大丈夫なはずだ、多分…。
「タイムズレイト」
無邪気な淵源がマッシュに向かって魔法を放つ。
どうやら今の魔法は対象の時を遅らせる魔法らしい。
動きが遅くなったマッシュに向かって無邪気な淵源は魔法を放った。
「！？」
圧倒的な速度差に避ける事は困難だと思われたが、マッシュは難なく避けた。
え？
その後も攻撃は続く。
しかしマッシュは驚異的な身体能力(というか筋力)で全て避けた。
そして一瞬のうちに敵へ近づくと、顔面を殴った。
つまり…？動きを遅くされた分めちゃくちゃ速く動いて帳尻を合わせたって事？？
「「なんだそれ！？」」
エドと二人で頭を抱える。
いくら真理で筋トレしたと言えど、人間辞めてない…その筋力は。
─
「神よ、何故
「おもしろそうだったから」
Aの真理は思う。
神という存在はやはり理解できかねる、と。
─
「ようやく馴染んできたようだ…」
無邪気な淵源の様子が変わった。
マッシュから奪った心臓の力を使い、さらなる進化をするという。
しかし攻撃されるよりも速くマッシュは手を蹴り上げ杖を奪った。
「フン」
バキッ
「容赦ない！！」
奪った杖を真っ二つに折ると、地面に叩きつけて更に粉々にする。
容赦が無いな！？
そして粉々にした杖だったもの( )を集めると、無邪気な淵源に渡した。
「返します」
「 」
ちゃんと集めて返したー！！
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作者名：雹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Haku_SHS/
作成日時：2023年7月9日 0時
