錬金術師と真理の扉 ページ37
触手に飲み込まれた私とマッシュは真っ白な空間にいた。…真理だ。
「なんだここ…あ、Aちゃん」
「…マッシュ」
マッシュと再会していると、私の正面には真っ白な影と、天文図が描かれた大きな扉が現れた。
私の真理の扉である。
「また来たの…？」
「…うん、友達を救う為に」
「…その為に自分を犠牲にするなんてどうかしてるよ」
「自分を犠牲に？するわけ無いじゃん」
真理の話に、エドから貰った賢者の石を差し出す。
「通行料としてはコレで十分でしょ」
「…あんなにも
「……確かにそれは沢山の人の命を犠牲に作られたものだ。だからこそ、その命を無駄にしたくない」
「だから友達の命を救う為に使う、と？」
「……ごめん、綺麗事を言おうとしてた。本当は罪滅ぼしとか言う資格は無いし、
「…まあ、いいか。いってらっしゃい、強欲な錬金術師さん」
そう言って扉の中へ引きずり込まれた。
「Aちゃん！！」
「まあ待て」
私が引きずり込まれた後、今度はマッシュの前に扉と真理(?)の様な人が現れたらしい。
真理を見ていた私はようやく扉の外へ出ると、現実世界ではなく、なぜかまだ真理にいた。
…何故だ！？
「錬金術師よ、貴様はそこの男と共に帰してやる」
「え？」
彼はマッシュの真理なのだろうか…？
ていうか魔法使いにも真理とか扉とかあるの？
いやそもそもマッシュは魔力すらないよね…？？？
頭に疑問符を浮かべていると、マッシュの真理(?)が似て非なるものと言った。
そして彼は私たちを帰す代わりに条件を提示してきた。
マッシュが一番大切にしているものをここに置いてけと言うのだ。
つまりは等価交換。
私だったら賢者の石があるが、マッシュの場合は何も無い。
コレで身体が持っていかれたら人体錬成の意味が無くなってしまう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Haku_SHS/
作成日時：2023年7月9日 0時
