錬金術師と生命力 ページ32
太陽に月が重なる。日食が始まった。
無邪気な淵源は兄弟たちの心臓を自分に取り込んだ。
「全くわからん…」
「
「なるほど…？」
無邪気な淵源から黒い翼が生え人ならざる者へとなる。
その様子を形容するなら化け物だ。
周りが恐れ慄く中、マッシュは「あ……終わったすか…」と反応が薄かった。
コレを見ていた群衆はマッシュなら勝てるかも…！と期待をする。
散々魔法不全者と罵ってきたクセにね。
勝てば官軍負ければ賊軍とはよく言ったものだ…。
早速マッシュが攻撃を仕掛けるも、血を吐き倒れた。
すれ違い様に心臓を取られたのだ。
マッシュの心臓を手に入れた事により、完全な肉体を手に入れることが出来るという。
もうこの世界に用はないと言い放った無邪気な淵源の背後でマッシュが立ち上がる。そして繰り出される攻撃に、無邪気な淵源は遠ざけるように魔法を放った。
「！？」
「人間は心臓が止まっても2〜3分は意識があると言うけど…」
「あくまで心肺停止の話だろ！？まさか心臓を抜かれても動けるなんて…」
「凄まじい生命力だな…」
というかここまでくると普通に怖いよ！！
壁に打ち付けられたマッシュは息も絶え絶えの状態だ。
「マッシュ…ウソだろ？」
「マッシュ…」
「あ……あ……まだ…」
「……」
「まだゴブリンシュークリームの冬の新作……食べてないの、に…」
なにその最期の言葉…！？
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作者名：雹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Haku_SHS/
作成日時：2023年7月9日 0時
