錬金術師と勝負の行方 ページ28
マッシュが長男と戦っているのを横目に、とりあえずみんなの傷口を塞ごうと準備を進める。
「A…」
「あ、無理して喋んないで。傷口を今から塞ぐから」
「Aちゃん、回復魔法でも使えるの…？？」
「いや、今から錬丹術を使う」
そう言うと准将が驚いたように振り向く。
「錬丹術！？Aいつの間に使えるようになったんだ！？」
「准将うるさい、今はそっちに集中してよ」
「おい！」
敵の攻撃に巻き込まれないよう、エドと共に壁を作ることに集中してもらう。
この私をアゴで使うとは、いい度胸だ…とか言ってたけど聞かなかったことにした。
錬丹術を使い傷口を塞ぎ終わる。
「応急処置は完了した。あとでちゃんとした治療を受ければ問題はないね」
「助かったよAちゃん」
「姉さん！！」
応急処置が完了した後、エドに急かされ地面に手をつく。敵がマッシュへ攻撃しているうちに退路の確保をすべく、一部を補修していた。
マッシュが戦い始めてから形成は逆転し、ワンパンで相手を這いつくばらせた。敵も黙ってやられる訳がなく、反撃をするもマッシュは無傷だ。
無傷！？あの猛攻で！？
いや、見えてたんだけどさ……受け身を取る事によりダメージを0で抑えたようだが…常人離れしすぎて一瞬
「姉さん、あの人ホムンクルスとかでは…」
「無い…はず」
「
「言うと思った…」
それにしても、メリアドールさんのところで随分修行を積んだようだ。
今までとは違い、身体の機能を知った上でコントロールして力を出してる。
マッシュがパンチを放つと敵が吹き飛んだ。その威力は凄まじく建物を貫通するほどである。
常人なら死んでいる攻撃だ。
しかし生半可な相手ではない。なんと起き上がってきたのだ。
そして剣をマッシュに振るうと攻撃が当たった。
今の攻撃、逆方向から来たが…虚像か？
「私はまだ、すべての力を見せていない。これが私と貴様の力の差だ…」
「そうですか」
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作者名：雹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Haku_SHS/
作成日時：2023年7月9日 0時
