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次の日いつも通り学校に行き、6時間目の授業中に思わず欠伸が出た私は軽くため息をつきながら再びペンを走らせる。
長い授業が何とか終わり、速攻で帰って撮ってあったドラマを家で見ようと私は教室を後にする。廊下ですれ違う友人達に放課後の遊びを誘われたがまた今度ね。と断り校門へと足を運んで行った。
ふと校門の周りに女の子の人集りができていて何かあったのかと奥を見てみると複数の女の子の中で一人だけずば抜けている高身長の男が立っていた。
「っ!」
三つ編みをして長髪をちらつかせた彼を見た瞬間私は血の気が引いた気がした。
な、なんであの男がここに…?
私は目の前にある非現実的な状況に頭が追いつかず軽いパニックを起こす。本能的に身の危険を感じた私は裏門から抜け出そうと体を反対方向にむけようとしたが彼の声によってそれは遮られる。
「あーいたいた」
彼が私にそう声をかけたことにより周りの女子が一斉にこちらを向く。複数の視線に囲まれる中、もはやどうすればいいのか分からずその場に立ち尽くしていた私はどんどん近付いてくる彼を拒絶出来ない。
「迎えに来ちゃった♡」
そう言い私の肩に手を回す彼からはあの日と同じような香水の匂いがした。周りを囲っていた複数名が悲鳴に近い声を上げる中、一人の友人が私達へ熱い視線を向ける。
「その人Aの彼氏さん!?」
今まで友人達にまともな恋話をしてこなかったのでこの珍しい状況に興奮した彼女はキラキラした様子で私にそう問いかける。
「いや…っ、そういう訳じゃなくて…」
「オレらそんな中途半端なかんけーじゃないけど?」
彼はそう言い私の肩を持つ手に力を入れぐっと自分の方へ引き寄せる。頼むから黙ってくれ、そう思う私を他所にその行動に更に顔を赤くする周りの女子に焦った私は彼のされるがままだった。
「だってこの子オレと…」
「うわああああ!!!ま、まって…っ!」
彼がそう言いかけた瞬間に大声をあげその言葉の続きを何とか遮った私は焦りで心臓の音が鳴り止まなかった。
「っじゃあ!私、帰るから…っ!」
私は言い逃れするように友人にそう言い彼の手を引っ張って校門を後にする。私達の姿を呆然と見ていた周りの観客は何が何だか分からなそうな顔をしていた。
…これは明日質問攻めだな、私はそう思い深いため息をついた。
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イオ(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年9月5日 19時) (レス) id: 750e30c04d (このIDを非表示/違反報告)
シーチキン(プロフ) - キュンッキュンッします!!更新楽しみに待っています! (2021年8月6日 7時) (レス) id: 05900c9320 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 灰谷兄弟好きなので嬉しかったです。続き楽しみにしてます。12年後の竜胆を作ってくれませんか? (2021年8月3日 4時) (レス) id: 87777bf704 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - 最近軽く蘭に沼ったと思ったらまんまと足元すくわれましたね笑 これからも楽しみに応援してます!! (2021年7月24日 0時) (レス) id: 6987777c86 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - 最近軽く蘭に沼ったと思ったらこの作品でどハマり…笑 これからも楽しみに応援してます!! (2021年7月24日 0時) (レス) id: 6987777c86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レモン | 作成日時:2021年7月19日 0時