【ONEPIECE】無口な彼の遺した言葉 (ページ4)

今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:612 hit

4. ページ4

丸い窓から差し込む光が鬱陶しくて目を開けた。体のだるさは多少楽になり、ゆっくりではあるが体を起こすことに成功する。

「…あ"ー、あ"、いう、え"ぉ」

喉に何かへばりついているのかと思うほど、掠れて耳障りな声が自分の口から発せられた。

「お"…えは」

声は言葉にならない。少し粘ったが声を出すのは諦めることにした。

ところで、ここはどこだろうか。それに、何故かこの体に違和感を感じる。さっきまで俺は何かを覚えていた。それなのに今は忘れてしまったようで…。ポッカリと空いてしまった記憶が大切なものでは無いと信じたい

「お、起きてたのかよぃ」

がちゃりと開いた扉の方に目を向けると、少年が木のお盆を持って立っていた。

彼は、そのまま俺がいる布団に座ると、お盆で運んできたものを俺に見せては笑った

「まさか起きてるとは思わなかったからねぃ、先に体拭いてから飯持ってくるけど、自分で拭けそうかよぃ？」

お盆にはタオルと水の入った桶があった。彼はタオルを濡らすと、きちんと絞ってから俺の手の上に置いた。体を拭く、ということは熱でも出ていたのだろうか。俺にはそんな記憶全くないけれど、でも確かに、体はだるいからそうだったかもしれない。