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なんとなく嫌な予感がしたのだ
あの本屋で、大きなあの人に会った時。
何か、俺の中で何かが変わってしまう、そんな予感。
「A、今日は合わせたい人がいるんだよぃ」
そう言って連れてこられたのは、森を抜けた先にある海に浮かぶ、大きな白鯨のような船
その船に躊躇うことなく乗る青年。手を繋いでいた俺ももちろんその船に乗ることなる。
「おぉマルコ！またきたか…って、そのガキは？」
「前に言ってた俺の弟だよぃ！」
「ちっさいなぁ！」
そんな会話をする青年…いや、マルコか。マルコは俺の知らないところで彼らと何度か会っていたらしく、楽しげに会話をしている。
……俺、マルコと兄弟だったのか。初めて知ったけど、口調とかは似ないんだな。それに、見た目も似ていない。
その時、身に覚えのある気配を感じで振り返る。そこにはあの日本屋で出会った男が、俺たちを見ていた。途端、背中をザワザワとしたものが走る不快感と冷えていく指先。無意識にマルコの手を握る力が強くなる。
「ん？どうしたよぃ」
俺の異変に気付いたのか、俺の視線の先を見るマルコ。
「親父！」
え？おやじ？？おや…親？？
「グラララ！やっぱりそいつはお前の弟だったか！」
「会ったことあったのか！？」
「あぁ、この前寄った本屋でな、海賊王の武勇伝みてぇなもんが書かれてる本を持ってたからよーく覚えてる。」
「…へ？A、海賊に興味あったのかよぃ？俺はてっきり海賊のことなんてほとんど知らねぇとばっかり…」
いや、マルコの言う通りだよ。てかどういうこと？俺とマルコは兄弟で、この男は俺たちの親ってことか？？
「…なぁ、A。」
混乱している俺と、目線が合うようにしゃがむマルコ
「俺は、この船に乗ろうと思ってる。Aも一緒に、来てくれるかよぃ」
そう言ったマルコは、少し緊張しているようだった。
…海賊か
海賊になれば、きっと怖いこともあるだろう。あの日、俺が俺だと認識して初めて目を開けた時、マルコは言ってくれた。
「この船に乗るヤツらはみんな強い、お前のことは守ってやれる」
"今度は俺が、守るよぃ"
そう言ってくれたマルコを思い出して、俺は…
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作者名：ミトコン | 作成日時：2022年4月22日 1時
