【ONEPIECE】無口な彼の遺した言葉 (ページ1)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:603 hit

1. ページ1

久しぶりに帰ってきた生まれ故郷。もう二度と戻ることはないと思っていたこの島は、中心部は豊かな国を築いている。だが、街から離れて森に近づくほど、貧民たちがいるような島だった。

船から降りた俺は、ゆっくりとその足を進める。中心部へ近付けば近づくほど人の通りは多くなり、一度全てなくなった島とは思えないほど賑わっている。

「不死鳥マルコだ！」

そんな声が聞こえた方を見ると、アイスを片手に持った幼い子どもがいた。俺が気付いたことが分かると、手をぶんぶんと振る

「アイス、落とすなよぃ」

「うん！！」

止めていた足を再び動かすと、「ばいばーい！」と元気な声が聞こえてきて思わず苦笑いを零す。

俺は一応海賊なんだけどねぃ…

色々な店が出来ているのをスルーして、俺は真っ直ぐ目的地へと歩いていく。

森の中へと入ると人の気配はピタリとなくなり、代わりに小動物の声や、風が葉を揺らす音だけが聞こえてくるようになる。

川沿いを歩いてしばらくすると、見覚えのある木が見えてくる。その木を左へ曲がると、小さな家。

「…やっぱり、人はここまで来てないみたいだねぃ」

そりゃそうか、森の中なんて何が出るかわからない。ここら辺は大丈夫だが、もっと奥へ進めば熊も出てくるだろう。

家の扉に手を掛ける。開いた扉は壊れ掛けていてギィーと音がする。いや、これは昔からだっただろうか。

「…まったく、ちゃんと片付けは教えたはずなんだけどねぃ」