ずっと想ってる。 (ページ33)

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屋上。ページ33

キーンコーンカーンコーン♪

今日は時が進むのは早いもので、
もう昼休憩になった。

「キード！食べにいこ？」

チャイムが鳴って
すぐに俺の机に寄ってきたカノ。
その手には弁当の袋が握られている。

「あぁ。行くか。」

2人で向かったのはお気に入りの屋上。

「今日も快晴だな。」
「ね。裏で食べよっか。」

カノの提案で俺たちはドアとは反対の
影になる場所で弁当を広げた。

「「いただきます！」」

2人きりで弁当を食べるのは久しぶりだな。
最近は桜花もいたし、
カノもクラスメイトと食べてたから。

するとカノは急に「そういえばさ、」と
話を切り出してくる。

「桜花ちゃんは？」
「ごほっ・・・！」

危うく喉につまらせるところだった・・・。
なんだ、こいつは俺の心が読めるのか！？

なんて、バカげたことを考えつつ
「偶然だろ。」と自分に言い聞かせる。

「大丈夫？」
「あ、あぁ。・・・桜花は響に昼休憩に呼び出されたから来れないって言われた。」
「え・・・！？」

俺が桜花から聞いたことをそのまま伝えると
カノは目を大きく見開く。

「どうし・・・」

問いかけようとして遮られた俺の言葉。
俺もカノも顔を見合わせて呆然とする。

「で？どうしたの。」

ドアの開く音と同時に聞こえた桜花の声。
影からそっと覗いてみると、響もいた。
呼び出されたのって、屋上だったのか！？

とはいえ、それに気づいたところでドアから
出ようとすれば2人に気づかれてしまう。

カノも考えていることは一緒だったのか、
「ここにいるしかないね。」と
お手上げのポーズを見せた。

「あの2人どうしたんだ・・・？」

2人とは距離が離れているので、声を
ひそめれば会話はできる。

「・・・聞いてればわかるよ。」

視線を遠くに飛ばしながら
切なげな表情を浮かべて答えるカノ。

こいつ、知ってるのか・・・？

「桜花。」

この先、響から
紡がれる言葉を俺はまだ知らなかった。