ずっと想ってる。 (ページ28)

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ほしい。ページ28

「綺麗だね・・・。」
「あぁ。」

時が進むのは早いもので、時間はもう
星が瞬きだす夜になった。

そんな星空を2人で向き合って見上げる、
穏やかな時間。大好きな空間。

ふと、あのとき思った疑問が思い浮かんで
星空から視線を移す。

「ねぇ、キド。どうしたの。今日、急にまたベランダで話そうなんて。」
「・・・嫌だったか？」
「ううん、逆。大歓迎。」
「ふっ。・・・そうか。」

声はいつも通りだけど、嬉しそうな顔。

綺麗だなぁ・・・。

彼女の瞳に浮かぶたくさんの星。
まるで、小さな宇宙みたい。

・・・その宇宙がほしい。
キドの全部がほしい。
その目も。そこから注がれる視線も。
可憐な桜色の唇も。綺麗な翡翠色の髪も。
・・・僕が知らないところも。
全部全部、僕のモノにしたい。

ここまでに膨らんだ独占欲。
それもそのはずだ。
小さい頃からずっと好きなのだから。

あぁ。でも、最後の方のは大人の話だけど。
僕も健全な男子だ。
そういう知識や興味がないわけじゃない。

・・・だから正直、そばにいるのが怖い。
いつ僕の理性が壊れるか分からないし、
キドはもう結婚できる年だ。
そのことを理解しているから歯止めが
きかなくなりそうで怖い。

「・・・ノ！カノ！？」

そんなキドには絶対に言えないようなことを
考えていると、肩を揺すられていることに
気づく。

「っ・・・あぁ。ごめん。」
「お前大丈夫か？今日はやめと・・・」
「あぁぁぁ！！大丈夫！大丈夫だから。ね？なんか話あるんでしょ？」

久しぶりの夜の会話だ。
そう簡単に終わらせてたまるか。

そんな意地を含んだ言葉を聞いたキドは
いぶかしげな目をしながらも、
「あ、あぁ・・・。」と返す。

「じゃあ、本題に入ろ。」