ずっと想ってる。 (ページ14)

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壊れるくらいなら。ページ14

「あれは中3の時だったかなぁ・・・。」

別に盗み聞きするつもりはなかったんだ。

『えぇ！？好きな人いるの？キド。』

え・・・。

「マリー！？声が大きい！！」

キドの焦った声。

キド・・・好きな人いたんだ。

・・・ちょっと期待してたんだけどなぁ。
幼なじみだから。

そんなことを考えていると、マリーの声が
聞こえてきた。

「キドは告白しないの？」

するとそれに次いで、
キドの焦った声が響く。

「こ、告白っ！？」

「うん。しないの？皆の噂じゃ、…もキドのこと好きって噂だよ？」

少し距離が遠くて大事な名前の部分が
聞こえなかったが、キドは好きな人と
両片想いなのだろう。

そのことに更に胸がチクチクと痛む。

「でも、それが本当かは分からないだろ？」

「それに・・・」とキドは悲しそうな表情で
言葉を紡ぐ。

「そいつは俺のことなんて好きじゃないよ。あいつの周りには、いつも人がいる。その中にはすごく綺麗で可愛い女子だっている。あいつに似合うのは俺じゃない。」

『でも。それでも・・・。
諦めようと思ったのに無理だった。

告白して振られるくらいなら。
今の関係を、ずっと変わらなかった関係を
壊すなら。

自分の気持ちは・・・
この想いは言わない方がいい。』

刹那、耳に届いたのは
そんな悲痛な声と言葉だった。

「キド・・・。」
「告白して振られるくらいなら。今の関係が変わるくらいなら。言わない。」

そうキドは微笑んで言っていた。